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MLB

西武復帰説も浮上した交渉の舞台裏。アメリカに引き留めた“夢物語”への微かな期待【秋山翔吾“最後の挑戦”:後編】<SLUGGER>

ナガオ勝司

2022.05.27

 本来ならば試合に出ている時期なのに、室内練習場で打ち込んだり、近所の公園でキャッチボールや遠投をしたり。彼の中にあったのは、「早くグラウンドで野球したい」という気持ちだったという。だが、現実はそう甘くはない。

「(MLB球団からのオファーは)ずっと無の状態でしたね。日本の球団からは古巣を含めて『どんな風にするんだ?』ってのは比較的、早い段階で来ていました。でも、ちゃんと4月3日の時点で『30日までは米国球団のオファーを待ちたい』とお伝えしていましたので、それで(オファーがなく)ダメなら需要がないんだなと思ってました」

 ただし、来るか来ないのか分からないまま、練習だけしているわけにはいかない。自分の中でケジメをつけるため、次に進むための交渉期限=4月30日だったわけだ。

「日本のチームから獲得意思を示していただいたのは本当に嬉しかったです。ライオンズに関して言えば、ライオンズに所属していた時のオファーと、今の状況でのオファーは重みが少し違うと思います」

「出た人間が言うのもあれなんですけど」と秋山は苦笑いした。

「元々(ライオンズに)いた選手だから、どういう選手かは分かっているけど、今のチームに僕を加えることで、ちょっと歪な形になることはあると思います。逆に言えば、加えても影響ない選手であれば、わざわざ取りに行く必要がないってことなので、本当にありがたいことですよね」
 
 読んでお分かりのように、ここまでは日本球界復帰を前提にした取材と、その受け答えである。

 質問しながら、『ああそうか、この人とはもう会えなくなるんだな』と感じていたのが、少しづつ違和感のようなものが出てきた。それは日本球界への復帰を前提に質問しているのに、彼の答えに「アメリカ」や「マイナー」というキーワードが頻繁に出てきたからだ。

「結果の積み重ねより、もっとビジネスライクってのをメジャーで目の当たりにしてきたし、(契約する)頻度も違うし、人数も違う。こんな選手がこのチームに行くんだとかいう驚きもあり、日本人的価値観と、メジャーリーグの価値観の違いをこの目で見てきて感じていました。戻るのならマイナー契約になるだろうけど、メジャーに戻ってもう一歩、次のステップに進みたいんです。そこで結果を出して、下でも上でも結果を残していって、それを積み上げていきたいと思います」
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