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プロ野球

【2019総括・ヤクルト】屈辱の16連敗の中で村上の台頭が一筋の光。元メジャーリーガーに投手陣再建が託された

山本祐香

2019.12.23

●2019年を「象徴」する試合 
5月4日/ヤクルト8ー4中日/ナゴヤドーム
ヤ|010 070 000|8
中|010 011 010|4
[勝]高梨裕稔(3-2-0)
[敗]柳裕也(2-1-0) 
[本]中:福田永将(4)

 中日戦での延長12回2死から代打・青木宣親がサヨナラホームラン、菅野智之(巨人)から、青木・山田哲人・バレンティンが三者連続ホームラン、山田哲が通算200号をサヨナラ満塁ホームランで決めた試合など、今季は派手な勝ち方の多いシーズンだった。

 だが、ここ数年のヤクルトが攻撃面において強化すべきだと言われ、キャンプで重ねた走塁練習が生きた5月4日の中日戦をベストゲームに挙げたい。

 1対1で迎えた5回表1死二、三塁。高いバウンドの遊ゴロで、三塁走者の西浦が左手を伸ばしホームへ滑り込む。タイミングはアウトに見えたが、その瞬間、西浦は伸ばしたと思った左手で身体を支え、捕手のタッチをかいくぐって右手でベースに触れた。

 一味違うこの勝利こそ、今年一番、意味のある勝利だった。
 
●来季のキーマン
斎藤隆
 
 今年のチーム防御率4.72、QS率37.1%はいずれもセ・リーグ最下位。先発が試合を作れず、頼みの綱のブルペン陣も、守護神の石山泰稚が離脱するなど苦しい状況が続いた。ここ数年の投手事情を考えると、練習や運用方法にも思い切った改革が必要ではないだろうか。

 そんな中、来季の投手コーチに、メジャーリーグでのプレー経験もありパドレスのベースボールオペレーションアドバイザー兼パシフィックリムアドバイザーの経歴を持つ斎藤隆氏を招聘した。

 パドレスのアドバイザー時代は、アメリカと日本の野球をただつなぐだけではなく、野球をする若者の未来や野球界をより良くすることを真剣に考えていた。勉強家で周囲の話にきちんと耳を傾け、メモをとる。

 そんな斎藤コーチが、技術面だけではなく、精神面からも投手一人ひとりに合った指導をしてくれることを期待したい。

文●山本祐香(タレント・スポーツライター)

【著者プロフィール】
やまもと・ゆうか/タレント活動をする傍ら、愛して止まない野球の“現場の声”を自ら届けるため、2015年よりライターとしても活動。主に日本のアマチュア野球を取材し、『スポチュニティ』などウェブ媒体を中心に執筆している。
 

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