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プロ野球

【2019総括・楽天】Wエース離脱もブルペン陣の奮闘で5年ぶりのCS。真価を問われる石井GMの「中・長期的なチーム作り」

田口元義

2019.12.03

▶2019年を象徴する試合
9月21日/楽天6-1西武/楽天生命パーク
西 |000 000 100|1
楽 |000 000 060|6
[勝]森原康平(4-2-0)
[敗]平井克典(5-4-0)
[本]楽:藤田一也(2)

 ベテランの〝恩返し弾〟から、鮮やかな逆転勝利を飾った。
 
 0対1の8回、先頭の代打・藤田一也が、西武が誇る難攻不落のセットアップ・平井克典から同点本塁打。この一発から一挙6点を奪う猛攻で試合を制し、4位ロッテとのゲーム差を1.5に広げた。

 CS進出を大きく手繰り寄せる殊勲打を放った藤田は、「大事な試合で出してくれる監督の期待に何とか応えたかった」と、指揮官の思いに報いた。春季キャンプから「男前の監督を男にしたい」と燃えるベテランに、平石監督も「私情を挟んではダメだろうけど、今年の一也は本当に苦労した。ホームランが滅多に出ない選手が打ってくれて感動した」。

 8月の二軍落ちから這い上がってきた男を称えていた。
 
▶来季のキーマン
三木肇監督

 現役時代、ヤクルトを3度の日本一に導いた名将・野村克也の薫陶を受けた。

 コーチとしても、日本ハムで西川遥輝や中島卓也ら現在の主力たちを鍛え、ヤクルトでは山田哲人の守備・走塁の向上を促した。そして、今季は楽天の二軍監督となり、球団初のイースタン・リーグ優勝を成し遂げた。石井GMは「困難を乗り越えてくれる監督」と、全幅の信頼を寄せている。指導者としての段階を踏み、晴れて一軍監督となった。

 走塁でのリード幅や守備でのポジショニングなど、スコアブックに乗らない要素にも注視し、凡打の内容にもこだわる戦略家。「バッテリーを中心とした守りの野球」を基軸とした多彩な野球を実現させ、7年ぶりのリーグ制覇を誓う。

文●田口元義

【著者プロフィール】
たぐち・げんき/1977年生まれ。野球を中心に雑誌やウェブサイトに寄稿。2019年2月に「負けてみろ。 聖光学院と斎藤智也の高校野球」(秀和システム刊)を上梓した

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