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MLB

MLBにあって日本のプロ野球にはない「トレード期限」の娯楽性。大谷移籍の噂で日本でも“エンタメ化”が進む?<SLUGGER>

ナガオ勝司

2022.08.10

 次に放出したのはエースのマックス・シャーザー投手と、球界屈指の韋駄天として知られるトレイ・ターナー遊撃手だ。

 20年、ナショナルズはワールドシリーズ連覇を狙って比較的安価な選手でレンドンの穴を埋めようと努力したが、ストラスバーグの怪我などもあって地区最下位に転落。翌21年もシーズン半ばまで低迷すると、シーズン終了後にFAになるシャーザーと22年限りでFAとなるターナーを、トレード期限にドジャースへ放出したのである。

 ナショナルズのマイク・リゾーGMは当時、地元紙にこう語っている。

「この取引は、我々にインパクトのある有望株を数多く与えてくれるし、今回のトレード市場で最大の補償を我々に与えてくれるものだった」

 ナショナルズはこの時、キーバート・ルイーズ、ジョサイア・グレイといったプロスペクトを獲得。2人は今季、主力としてメジャーに定着した。また、レンドーン退団で得たドラフト補償指名権(2巡目と3巡目)で得たサミー・インファンテ遊撃手は現在1Aでプレーしている。
 ナショナルズはソトだけを残してチームを再建するつもりで、既報の通り、パドレスへのトレードが成立するギリギリまで、15年4億4400万ドル級の超大型契約をオファーし続けたが実らなかった。

 リゾーGMの決断は早かった。

 ソト放出でナショナルズが得た交換要員の中では、ヤンキース時代の20年に本塁打王を獲得したルーク・ボイトが最も有名だが、優勝を諦めたナショナルズにとって、ボイトは重要なピースではない。実際、ボイトはエリック・ホズマーがトレード拒否権を発動してレッドソックスに移籍した代替えの交換要員だった。

 重要なのは、ナショナルズが5人の若手選手を獲得したことだ。すでにメジャーデビューを果たしている23歳の左腕マッケンジー・ゴア投手と、21歳のCJ.エイブラハム遊撃手に加え、20歳のロバート・ハッセル外野手、19歳のジェームズ・ウッド外野手、ルーキーリーグでプレーしている18歳のハーリン・スザーナ投手。デッドライン後に発表された『ベースボール・アメリカ』のプロスペクト・ランキングで、エイブラムスは11位、ハッセルは25位、ウッドは39位に入っている。
 
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