専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
高校野球

甲子園で輝いた“未来のドラフト候補”に刮目せよ!海星・西村は総合力を発揮。二松学舎大付・瀬谷は走攻守すべてがハイレベル【野手編】

西尾典文

2022.08.30

●福谷宇楽(社・遊撃手)
 
 内野手、特に二遊間の選手はドラフト候補と言える選手は少なかったが、大学経由で面白いと感じさせたのが福谷だ。打球に対する反応が良く、一歩目で距離を詰めることができ、ボールと衝突することなく捕球することができるのが大きな長所。ボールを見る姿勢が良く、細かいステップワークも高校生としてはトップクラスのものがある。

 少しスローイングは慌てることもあり、捕球から送球への流れは改善の余地があるが、地肩の強さも申し分なかった。バッティングももう少し力強さが欲しいが、悪い癖がなく、スムーズな振り出しも目立った。攻守ともに順調にパワーアップを果たせば、4年後はドラフト戦線に浮上してくることも期待できるだろう。
 
●瀬谷大夢(二松学舎大付・外野手)

 今年の東京を代表する強打の外野手。初戦の札幌大谷戦はノーヒットだったものの2四球を選び、送りバントも決めると、続く社戦では好投手の堀田柊と芝本林平を相手に4打数4安打の大活躍でチームを勝利に導いた。

 たくましい体格で下半身が強く、しっかり体を残して強く振れるのが大きな長所。内から鋭く振りだせるスイングの軌道も理想的で、センターを中心に広角に打ち返し、脚力も目立つ。敗れた大阪桐蔭戦では3打席連続三振に抑え込まれたが、最終打席でセンター前ヒットを放って意地を見せた。走攻守すべてが高校生としては高いレベルにあるだけに、さらに長打力がついてくれば面白い存在になりそうだ。

文●西尾典文

【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間400試合以上を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。

【関連記事】「間違いなく1位で消えますね」――今夏に声価を高めた高松商・浅野翔吾。プロスカウトの“疑念”を打ち砕いた身体能力

【関連記事】感動を呼ぶ大反響! 仙台育英・須江監督の優勝インタビューがトレンド入り「青春って密なので」「全国の高校生に拍手を」

【関連記事】“王者”が“王者”であったがゆえの番狂わせ――大阪桐蔭が下関国際に敗れた理由<SLUGGER>

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号