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プロ野球

FA“超目玉”の楽天・浅村栄斗を獲得すべき球団はここだ!ポジション、攻撃力、資金および熱意の3点から識者が徹底解説

出野哲也

2022.09.22

守備でも存在感を放つ浅村。過去にゴールデングラブ賞を2度受賞している。写真:THE DIGEST写真部

守備でも存在感を放つ浅村。過去にゴールデングラブ賞を2度受賞している。写真:THE DIGEST写真部

ソフトバンク(フィット△、可能性○)
ポジション△
攻撃力△
資金および熱意◎

 リーグ最多の得点力を誇るが、柳田悠岐に衰えの兆候があり、なおかつ右打者の本塁打数はアルフレド・デスパイネの11本が最多。二塁では三森大貴が育っているものの、浅村が不要と言うほどではなく、一塁の中村晃も外野やDHに回せる。資金には事欠かず、とりあえず首を突っ込んできそうだ。

オリックス(フィット◎、可能性○)
ポジション◎
攻撃力〇
資金および熱意〇

 阪神同様に浅村の地元球団で、85本塁打がリーグ最少である上、一塁・二塁のどちらも空席状態。前回のFAでは名乗りを上げながらも、交渉の席にもつけないまま袖にされたが、そうした過去は水に流して獲得に向かいたい。

西武(フィット△、可能性×)
ポジション△
攻撃力〇
資金および熱意×

 二塁の外崎修汰は浅村と同じくFA権持ち。さらにかつての山賊打線の劣化が著しく、浅村に帰ってきてほしいのは山々だ。しかしながら外崎だけでなく森友哉もFAになるとあって、こちらの残留を優先しなければならず、とても浅村獲得に労力を割く余裕はない。

ロッテ(フィット○、可能性△)
ポジション△
攻撃力〇
資金および熱意△

 ここも打力強化が必要なチーム。西武と同じく二塁手の中村奨吾がFAになるので、引き留めに失敗した場合はもちろん、残留しても一塁で浅村を使えれば大きなプラスになる。もっとも一塁は外国人選手で補うことが難しくないので、それほど熱心に動きそうにはない。
 
日本ハム(フィット◎、可能性△)
ポジション◎
攻撃力◎
資金および熱意△

 二塁はレギュラー不在、一塁も清宮幸太郎は動かせないというほどでもない。FAになる近藤健介の引き留めが優先だが、新球場完成を機に大型補強に乗り出す可能性はあり、しかもエスコンフィールドの構造は左打者に有利となっている。右打者ながらライト方向に長打が打てる浅村は、タイプ的には合っていそうだ。

楽天(フィット◎、可能性◎)
ポジション◎
攻撃力◎
資金および熱意◎

 実は一番浅村を必要とし、なおかつフィットするのは楽天に他ならない。浅村以外に2ケタ本塁打を打っているのは島内宏明(14本)だけという、慢性的な長打力不足であり、そこから主砲が抜けるのは大打撃だ。球団もすでに残留交渉を進めているとされる。

 ポジション、攻撃力、資金および熱意の3部門すべて二重丸がつくのは楽天、2部門でついているのは阪神と日本ハム。“フィット”という観点では、この3球団がベストの行き先になる。再契約で仙台に残る――というのが一番円満な筋書きで、もし移籍するなら阪神、オリックス、ソフトバンクの順番で可能性がありそうだ。

文●出野哲也

【著者プロフィール】
いでの・てつや。1970年生まれ。『スラッガー』で「ダークサイドMLB――“裏歴史の主人公たち”」を連載中。NBA専門誌『ダンクシュート』にも寄稿。著書に『プロ野球 埋もれたMVPを発掘する本』『メジャー・リーグ球団史』(いずれも言視舎)。

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