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プロ野球

有識者ARAのドラフト通信簿:野手の豊作年に世代屈指の長距離砲を指名した巨人とオリックスが最高評価。一方で中日とソフトバンクは意図が見えず評価が伸び悩む<SLUGGER>

ARA

2022.10.23

▼楽天
評価:C

 ロッテとの競合で、公言通り荘司康誠(立教大)の獲得に成功。プロで通用するボールを有しながらも、まだ成長を描けるスケール感は屈指で、世代No.1投手を確保できたことは大きい。ただし、それ以外の指名には疑問が残る。快速右腕の小孫竜二(鷺宮製作所/2位)、緩急で勝負の渡辺翔太(九州産業大/3位)、サイドスローの伊藤茉央(東農大北海道オホーツク/4位)、テンポの良い林優樹(西濃運輸/6位)と見事なまでにタイプの異なる投手を指名したが、ここ数年指名された投手との差別化要素は薄い。何より野手の豊作年に、二軍で枯渇するプロスペクトを指名できなかったことは将来への懸念が大きいと言えるだろう。

▼巨人
評価:A

 阪神との競合で浅野翔吾を公言通りに引き当て、次世代のスター候補となる高校No.1スラッガーを手に入れた。さらに萩尾匡也(慶応大/2位)、門脇誠(創価大/4位)と打撃に強みを持つ選手の指名に成功。既存戦力と差別化しつつ、浅野が一軍戦力になった後も共闘できる素晴らしい人選と言える。また投手は田中千晴(国学院大/3位)、船迫大雅(西濃運輸/5位)と実戦派を指名。スピードボールと鋭く落ちる変化球をもち、早期に一軍を意識出来るだけでなく、長いイニングも計算できる賢い人選となった。
 
▼西武
評価:B-

 野手は、公言通り蛭間拓哉(早稲田大)を一本釣り。三拍子揃った大学代表の4番に、外野の中心選手としての未来を託した。古川雄大(佐伯鶴城高/2位)と野田海人(九州国際大付高/3位)は、ともに身体能力は高いものの、打撃に粗を残す素材型で、育成を間違えなければ将来は明るい。児玉亮涼(大阪ガス/6位)は攻守のバランス型だが、名手が揃う西武で即戦力となれるか難しい所だ。投手は、青山美夏人(亜細亜大/4位)と山田陽翔(近江高/5位)と、器用ながら短いイニングなら存在感を示せる選択。投手成績が良いチームだけに、手堅い指名となった。

▼阪神
評価:A-

 浅野翔吾を抽選で外したため、1位には森下翔太(中央大)を選択。攻走守にパワーがあり、常に大舞台を経験してきたキャリアは、大歓声を受ける甲子園向きと言えるだろう。井坪陽生(関東第一高/3位)、戸井零士(天理高/5位)は、打撃面に強みのある素材型。現在のファームで競争をもたらす狙いの見える人選と言える。投手は、門別啓人(東海大札幌高/2位)、茨木秀俊(帝京長岡高/4位)、富田蓮(三菱自動車岡崎/6位)と素材の良さに定評のある人選。投手育成に実績のある阪神ならではの選択となった。
 

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