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プロ野球

【識者が選ぶベストナイン】千賀より山本。現場で受けた“インパクト”が最後の一押しに【氏原英明】

氏原英明

2019.11.25

候補になった3人は日本代表でも大活躍。今永もベストナインにふさわしい一年だった。写真:徳原隆元

候補になった3人は日本代表でも大活躍。今永もベストナインにふさわしい一年だった。写真:徳原隆元

【セ・リーグ】
 セ・リーグは二塁手の山田哲人(ヤクルト)、遊撃手の坂本勇人(巨人)、外野手のうち鈴木誠也(広島)とソト(DeNA)までは疑う余地もないと思う。

 悩むのは、投手、一塁手、三塁手と、外野手のもう一人だ。

 投手についてセパに共通しているのは、上位の候補に上がる投手は、現代的な投球をするタイプが多いということだ。ストレートの球速・球威だけでなく、ストレートに寄せた速い変化球があり、それぞれの球種をどこに投げ込むかなど、データも取り入れたピッチングをしている。

 山口俊(巨人)はスライダーとフォークの球速が近く、ストレートと組み合わせて打者を牛耳った。最多勝、奪三振の二冠はチーム成績によるものではなく、彼のスタイルが生み出した結果とも言える。一方、防御率1位の大野雄大(中日)はストレートを高めに意図的に投げるスタイルで他の球種を生かした。ツーシームばかりにスポットが当てられるが、その現代的スタイルも評価したい。今永昇太(DeNA)はカットボールの使い方がうまく、数字通りのものだったと言えるだろう。この3人は優劣をつけにくいが、総合的に見て山口を選んだ。

 一塁手は、ビシエド(中日)と岡本和真(巨人)、三塁手は宮﨑敏郎(DeNA)と高橋周平(中日)で意見が分かれると思う。三塁手の二人に至っては、打撃面の成績がほとんど変わらず、双方、離脱した時期もあると酷似している。順位での貢献度を重視すると、下位からは選ばれなくなってしまうから、そうはしたくない。ただ、どちらに怖さを感じたかというと、やはり宮﨑の方に感じる部分が多かった。

 一方、一塁手は岡本がCSで活躍したことの印象度が高いものの、シーズンを通して安定していたのはビシエドの方だった。外野手の3人目はOPSならバレンティン(ヤクルト)、筒香嘉智(DeNA)だが、総合的な貢献度で丸佳浩(巨人)となった。
 
【セ・リーグ】
投手:山口俊(巨人)
捕手:會澤翼(広島)
一塁手:ビシエド(中日)
二塁手:山田哲人(ヤクルト)
三塁手:宮﨑敏郎(DeNA)
遊撃手:坂本勇人(巨人)
外野手:鈴木誠也(広島)
外野手:ソト(DeNA)
外野手:丸佳浩(巨人)

文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)

【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園という病』(新潮社)、『メジャーをかなえた雄星ノート』(文藝春秋社)では監修を務めた。

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