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プロ野球

逸材を最も多く指名できた球団はどこなのか? 「ドラフト候補ランキング」から振り返る2022年のドラフト<SLUGGER>

西尾典文

2022.10.26

■DeNA:B+
●ドラフト候補ランキング入りしていた選手
1位:松尾汐恩(大阪桐蔭高/ランキング5位)
2位:吉野光樹(トヨタ自動車/ランキング22位)
3位:林琢真(駒沢大/ランキング46位)
4位:森下瑠大(京都国際高/ランキング43位)
5位:橋本達弥(慶応大/ランキング36位)

 上位にランクインしていた選手は1位指名の松尾だけだったが、支配下指名した5人の選手全員がランクインしており、総合的には高い評価となった。やはり大きいのは1位の松尾と2位の吉野だ。松尾は強肩強打の高校生No.1キャッチャーで、長く不動の正捕手となれる可能性を秘めている。また吉野は今年解禁の社会人では最も成長を見せた投手であり、体調さえ万全なら早くから一軍の戦力となる可能性も高い。3位の林は二遊間強化、4位の森下は将来の先発候補、5位の橋本はリリーフ強化とそれぞれのテーマに非常にマッチした人材を指名できたことは大きい。各ポジションで確実な戦力補強ができた印象を受けた。


■西武:B
●ドラフト候補ランキング入りしていた選手
1位:蛭間拓哉(早稲田大/ランキング4位)
2位:古川雄大(佐伯鶴城高/ランキング32位)
4位:青山美夏人(亜細亜大/ランキング24位)
5位:山田陽翔(近江高/ランキング28位)

 1位ではランキング4位の蛭間を指名。2位の古川もランキング32位ではあるが、高校生の外野手では3番目の順位だった選手であり、課題と言われた外野手の補強は狙い通りだったと言えるだろう。蛭間は高いレベルでの実績があり、古川は未完の大器タイプと特徴が異なっているのも面白い。3位の野田海人(九州国際大付高)は最終的にはランク外となったが、U-18侍ジャパンにも選ばれており、肩の強さに関しては高校生でもトップクラスだ。投手も大学選手権優勝に大きく貢献した青山と、甲子園を湧かせた山田と名前の知られた選手を獲得。各ポジションに実力のある選手を補強することができたドラフトだった。
 
■ヤクルト:B-
●ドラフト候補ランキング入りしていた選手
1位:吉村貢司郎(東芝/ランキング7位)
2位:西村瑠伊斗(京都外大西高/ランキング16位)
3位:沢井廉(中京大/ランキング9位)

 ランクインしていた選手は3人と多くないが、揃って20位以内の選手であり、上位候補を着実に指名できた点を高く評価した。1位の吉村は即戦力の先発候補という意味ではナンバーワンと言える存在。スピード、変化球、コントロールいずれも高レベルで、1年目からローテーション入りも期待できる。2位の西村は高校球界を代表する強打の外野手。ミート力は天才的なものがあり、遠くへ飛ばす力も申し分ない。3位の沢井は大学屈指の強打者。長打力に関しては西武1位の蛭間拓哉(早稲田大)や阪神1位の森下翔太(中央大)にも全く引けを取らないレベルにある。できればもう1人くらい力のある投手が欲しかったが、数年後に村上宗隆のメジャー移籍という話が出てきた時の備えとしても、2人の強打者を指名できたのは大きかった。
 

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