もっとも、今シーズンのメジャーで20本塁打以上の選手は、96人を数える。これまで日本人選手で20本の大台を超えたのは松井秀と大谷のみ(松井秀は計5回達成)で、筒香が3人目になれば日本人視点では快挙だが、現在のメジャーでは特別なことではない。20本塁打を記録したというだけでは、レギュラーとして及第点とは言い難い。
これは、筒香のポジションを考えるとなおさらだ。筒香が守るのは、守備の要となるセンターラインではないし、もちろん、投打二刀流でプレーするわけでもない。合格点に達するには、もう一つの売りである選球眼も併せて発揮する必要があるだろう。 これまでの日本人野手で松井秀、岩村、福留孝介の3人は、渡米前年に続いてメジャー1年目も50四球を超えた。3人とも四球率は下がったが、岩村と福留の2人は10%以上。特に福留の13.7%はその年のナ・リーグ8位とかなり優秀な水準だった。
今シーズン、筒香は88四球で四球率15.8%を記録した。一方、メジャーで20本塁打&四球率15%以上を記録したのは9人だけ。20本塁打&四球率12%以上も20人しかいない。筒香がメジャー1年目でこの水準をクリアできれば、合格点と見なされるのではないだろうか。
文●宇根夏樹
【著者プロフィール】
うね・なつき/1968年生まれ。三重県出身。『スラッガー』元編集長。現在はフリーライターとして『スラッガー』やYahoo! 個人ニュースなどに寄稿。著書に『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。
これは、筒香のポジションを考えるとなおさらだ。筒香が守るのは、守備の要となるセンターラインではないし、もちろん、投打二刀流でプレーするわけでもない。合格点に達するには、もう一つの売りである選球眼も併せて発揮する必要があるだろう。 これまでの日本人野手で松井秀、岩村、福留孝介の3人は、渡米前年に続いてメジャー1年目も50四球を超えた。3人とも四球率は下がったが、岩村と福留の2人は10%以上。特に福留の13.7%はその年のナ・リーグ8位とかなり優秀な水準だった。
今シーズン、筒香は88四球で四球率15.8%を記録した。一方、メジャーで20本塁打&四球率15%以上を記録したのは9人だけ。20本塁打&四球率12%以上も20人しかいない。筒香がメジャー1年目でこの水準をクリアできれば、合格点と見なされるのではないだろうか。
文●宇根夏樹
【著者プロフィール】
うね・なつき/1968年生まれ。三重県出身。『スラッガー』元編集長。現在はフリーライターとして『スラッガー』やYahoo! 個人ニュースなどに寄稿。著書に『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。