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ジャッジ獲得に失敗し、一度は合意したコレアにも逃げられる大誤算。「チームの顔」を獲得するはずだったジャイアンツの次の一手は?<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2022.12.22

 12月20日、ジャイアンツはコレアの入団会見を予定していた。コレアもサンフランシスコ入りし、スーツに身を包んでホテルで待機していたが、3時間前になって急きょ中止になった。

 すでに報道されているように、理由は「ジャイアンツがコレアのメディカルチェックの結果に懸念を示したため」。ただ、その内実はやや不可解だった。確かにコレアは怪我が多く、メジャー8年間で7度故障者リスト入りしている。だが、ジャイアンツが懸念したのはマイナー時代に負った右足の故障だったという。10年近くも前の古傷を理由に、これほどの大型契約の成立が遅れるのは前例のない事態だった。

 ともあれ、入団会見が延期されてすぐ、コレアの代理人スコット・ボラスはメッツのオーナー、スティーブ・コーエンに連絡を取った。ボラスは休暇先のハワイで夕食中だったコーエンに、ボラスに「マティーニに、三塁手のための3つのオリーブを入れられるか?」と質問したという。以前からコレアを欲しがっていたコーエンは、1つ1億ドル以上の値がついたオリーブを買うことをためらわなかった。
 
 土壇場でコレアをメッツにさらわれたこともさることながら、一度は合意してから破談になるまでの7日間で、他の有FA選手の行き先がほとんど決まってしまったことも、ジャイアンツにとっては悩みの種になっている。

 今季、リーグ1位の奪三振率11.98を残していたエースのカルロス・ロドンは15日にヤンキースと6年1億6200万ドルで契約。コレアと合意した時点でまだ行き先が決まっていなかった大物遊撃手ダンスビー・スワンソンも、17日に7年1億7700万ドルでカブス行きが決まった。「チームの顔」と言えるような選手はもうFA市場には残っていない。

 後はトレードに頼るしかないが、ここでも超大物と呼べるような選手は市場に出ていない。「ぬか喜び」を2度も味わっただけに、ファンの失望と怒りも大きい。このまま手をこまねいていれば、「球団史上最悪のオフ」になることは確実。ジャイアンツが今後どう動くかが注目される。

構成●SLUGGER編集部
 
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