“アーロン・ジャッジ狂騒曲”がついに決着した。
現地12月6日、今オフにフリーエージェント(FA)となっていた大砲ジャッジがニューヨーク・ヤンキースと9年3億6000万ドル(約489億6000万円)で再契約したとアメリカの複数メディアが一斉に報じた。契約総額3億6000万ドルはFA選手としては史上最高額。また、年平均4000万ドルも野手では歴代最高額となる。
今季にアメリカン・リーグ記録の62本塁打を放ち、MVP投票では大谷翔平(エンジェルス)に圧勝したジャッジをめぐっては、ヤンキース以外にも生まれ故郷に近いサンフランシスコ・ジャイアンツも争奪戦を参加。
11月下旬には、ジャッジ自らサンフランシスコへ飛んでジャイアンツの球団首脳と面会。12月5日には『New York Post』紙のジョン・ヘイマン記者が「ジャイアンツ入り濃厚」とツイートしてSNS一時騒然となったが、その直後にジャイアンツのCEOが「報告するようなことは何もない」と否定する一幕もあった。
確かに、ジャッジの心はヤンキースとジャイアンツでかなり揺れていたようだ。事実、ジャイアンツのオファーも総額3億6000万ドルに近い額だったと言われている。それでも、ジャッジは最終的にプロ入りから10年間過ごした“古巣”を選んだ。
ここで改めて思い起こされるのが、開幕前にジャッジがヤンキースからの延長契約オファーを断ったことだ。ヤンキースの提示した条件は7年2億1350万ドル(約290億円)。これだけの大金に「ノー」と言うのは相当な勇気が要ったはずだ。実際、開幕13試合で1本塁打と不振に陥ったジャッジは「あのオファーを受け入れていれば良かったかも」と思ったこともあったという。
それでも、ジャッジの自分自身への“賭け”は見事に成功した。4月下旬からすさまじい勢いでホームランを量産し、最終的には薬物疑惑とは無縁の「クリーンな」選手ではMLB歴代最多の62号を記録。一世一代の大勝負に勝利したのだ。
今回の契約額と、開幕前のヤンキースの提示額との差は実に1億5000万ドル近い。たった半年余りで、ジャッジは自らの価値を日本円にして200億円以上も“爆上げ”させたことになる。
ニューヨークのファンも、そしてヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMもこれでホッとしたことだろう。確かに、すでに30歳を過ぎた故障がちの大砲に与える契約としてはかなりリスクが大きい。それでも、MLB史上に残るシーズンを送った選手をみすみすFAで流出させたとなれば、球団史に残る汚点となっていたのは確実。
本塁打記録樹立にMVP受賞、そしてFA史上最高額契約獲得。個人としてはすでに最高の栄を手にした。だが、ワールドシリーズにはまだ出場したことすらないジャッジ。慣れ親しんだピンストライプのユニフォームを再び身にまとい、2023年からまた新たな戦いが始まる。
構成●SLUGGER編集部
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今季にアメリカン・リーグ記録の62本塁打を放ち、MVP投票では大谷翔平(エンジェルス)に圧勝したジャッジをめぐっては、ヤンキース以外にも生まれ故郷に近いサンフランシスコ・ジャイアンツも争奪戦を参加。
11月下旬には、ジャッジ自らサンフランシスコへ飛んでジャイアンツの球団首脳と面会。12月5日には『New York Post』紙のジョン・ヘイマン記者が「ジャイアンツ入り濃厚」とツイートしてSNS一時騒然となったが、その直後にジャイアンツのCEOが「報告するようなことは何もない」と否定する一幕もあった。
確かに、ジャッジの心はヤンキースとジャイアンツでかなり揺れていたようだ。事実、ジャイアンツのオファーも総額3億6000万ドルに近い額だったと言われている。それでも、ジャッジは最終的にプロ入りから10年間過ごした“古巣”を選んだ。
ここで改めて思い起こされるのが、開幕前にジャッジがヤンキースからの延長契約オファーを断ったことだ。ヤンキースの提示した条件は7年2億1350万ドル(約290億円)。これだけの大金に「ノー」と言うのは相当な勇気が要ったはずだ。実際、開幕13試合で1本塁打と不振に陥ったジャッジは「あのオファーを受け入れていれば良かったかも」と思ったこともあったという。
それでも、ジャッジの自分自身への“賭け”は見事に成功した。4月下旬からすさまじい勢いでホームランを量産し、最終的には薬物疑惑とは無縁の「クリーンな」選手ではMLB歴代最多の62号を記録。一世一代の大勝負に勝利したのだ。
今回の契約額と、開幕前のヤンキースの提示額との差は実に1億5000万ドル近い。たった半年余りで、ジャッジは自らの価値を日本円にして200億円以上も“爆上げ”させたことになる。
ニューヨークのファンも、そしてヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMもこれでホッとしたことだろう。確かに、すでに30歳を過ぎた故障がちの大砲に与える契約としてはかなりリスクが大きい。それでも、MLB史上に残るシーズンを送った選手をみすみすFAで流出させたとなれば、球団史に残る汚点となっていたのは確実。
本塁打記録樹立にMVP受賞、そしてFA史上最高額契約獲得。個人としてはすでに最高の栄を手にした。だが、ワールドシリーズにはまだ出場したことすらないジャッジ。慣れ親しんだピンストライプのユニフォームを再び身にまとい、2023年からまた新たな戦いが始まる。
構成●SLUGGER編集部
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