藤浪はここ数年の課題だった制球力も改善傾向にある。とくに昨季は与四球率がメジャー平均よりも良い3.24％にまで落ち着いた。以前よりも計算できる投手になってきており、そこも戦力としてアスレティックスが考えた結果なのである。

　来年４月で29歳になる右腕について「ここ数年は右肩上がりで、傑出した力を見せてきていた」とする『MLB Trade Rumors』は、次のように評している。
  「３桁（100マイル台）にまで達する剛速球と、90マイル台の大きな武器になり得るスライダーとスプリットを持つフジナミはゾクゾクする可能性を提供するはずだ。過去数年の一貫性のなさは明らかに彼の契約に対する評価を落としたが、アスレティックスをはじめとする多くのメジャーリーグスカウトは、高校時代からの彼の投球を監視し続けていた。球界きってのピッチャーズ・パークとして知られるアスレティックスへの移籍は、適応への猶予を与えられる可能性を考えても、賢明なチーム選択だと言える」

　可能性への投資という見方ができる藤浪のアスレティックス入り。とはいえ、契約期間は１年である。決して長くはない時間の中で、日本で異彩を放ってきたパワーアームがいかなる結果を残すのかは興味深いところだ。

構成●THE DIGEST編集部

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