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「まだまだ若い選手の壁でいたい」35歳の秋山翔吾が“秋山組”の自主トレで見せた「若さ」と「指導力」<SLUGGER>

岩国誠

2023.01.22

下田市の砂浜にて。辻発彦前西武監督(写真左下)も激励に来たという。写真:岩国誠

下田市の砂浜にて。辻発彦前西武監督(写真左下)も激励に来たという。写真:岩国誠

「それは、いろんな角度から見られているっていう意識もあるんじゃないですかね。心のハリの部分は強めに出ているんじゃなかなと思います」

 そう言って、頬を緩めた秋山。今年は広島や北海道からのマスコミも取材に訪れ、明らかに報道陣の数は多かったが、全体的にリラックスした雰囲気が漂っていた。去年は「勝負の3年目」を否応なしにも意識させられていたのかもしれない。

 今年の”秋山組”は、総勢13名の選手が参加。弟子入りを志願してきた宇草孔基(広島)、センターの定位置を狙う五十幡亮汰(日本ハム)、支配下登録を目指す育成4年目の澤野聖悠(楽天)らが初参加だった。4年連続の参加となる阪神の板山祐太郎や、女子野球・埼玉西武ライオンズレディースの山﨑まり内野手、そして独立リーグからNPBを目指す選手たちなど、去年以上の大所帯となった。

「初めて参加している選手も多いですが、たくさんの選手が来てくれたことはすごく嬉しいです。基本的に僕は誰にも声をかけないので、場所だけ準備をして、連絡がくれば『やろう!』という感じです。それで参加選手が増えてくれたというのは、良かったと思いましたし、ちょっとホッとしました」
 
”座長”を務める秋山も、すでに35歳。しかし、ウォーミングアップやダッシュなどのランメニューでは常に先頭を走り、終わった後には白い歯も見せていた。まだまだ若い選手に負けるつもりはないというところか。

「やっぱり走れる動作に、厳しく見られる年齢にはなっていると思うんですよ。宇草と同じスピードで走っていたって、なんかやっぱり35っぽいなって思われるの嫌なので。しっかり、走る動作に重さとか出ないように、逆にいうと軽快さとか疾走感とかそういうのが出たらまだ戦えるだろうと。変な目で見られなくて済むなと思っています」
  
 去年はシーズン途中加入ということもあったが、故障や体調不良なども重なり、出場は44試合に留まった。打撃成績は打率.265、5本塁打、26打点。周囲の期待、そして秋山自身も納得できる数字とは言えなかった。成績を残すために、まずは1年間フルで戦い抜ける身体を作る。キャンプまでにやるべきことは明確だった。

「とにかく1年間しっかり戦い抜けるように。その決意を強く持って準備していきたいと思います。キャンプに入ると、体力の土台を1から作るというのは難しい。もちろん、打撃フォームを意識することなどもしていますが、今は体力強化というかどれだけ動いておけるかを大事にしています。走った後、両ヒザに手をつくくらいのランニングだったり、低い体制での連続ティーだったりとかで自分を追い込むことは今しかできない。そこそこの練習量になっていると思います」
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