自らの課題に向き合い精力的に身体を動かしながらも、各選手の動きに目を光らせ、問いかけがあれば即座にアドバイスを送る。参加人数が去年より増えていても、その姿は変わらない。
「今は自分がどういう練習をしたいかを選べる時期ですからね。その中でも、選んでここに来てくれている以上、何かを持って帰ってもらいたい。わざわざ僕の何かを求めてきてくれていると思うので、しっかりと受け止めて、言葉であれなんであれ、見せてあげなければいけないなと思います」
アドバイスは打撃だけではなく、捕球動作や送球など様々。その中でも、宇草や五十幡、育成の澤野、独立リーグや女子野球の選手では、求められるアドバイスも変わってくる。どのように対応しているのか。
「同じアドバイスにはならないように心がけています。『この打ち方がいいから、全員この打ち方で』というのは、僕はやらない方がいいと思っているので、聞いてくる質問によって、ちゃんと言葉で説明できるようにしないとなと思ってやっています。右左だったり、どういうタイプになりたいかとか色々ありますが、どういう風な練習をやったらいいかと聞かれたときに、ちゃんとやって見せることは最低限必要だと思っています」
男女やカテゴリーに関係なく、誰に対しても真摯に向き合い、熱心に指導する。時には時間を忘れて、慌てて自分の打撃メニューをこなす姿も見かけた。囲み取材では、ひとつの質問に対して、自分の言葉で納得いくまで伝える。自分に対しても、相手に対しても真っ直ぐにストイック。こうした秋山らしい実直な姿勢も広島が求めているものだったのかもしれない。
広島は今年から新井貴浩氏が新監督に就任。今回、自主トレに参加している宇草だけでなく、外野のレギュラーを狙う若手の台頭が期待されている。
「そうならないとチーム力は上がらないですが、簡単に譲る気はないです。いろんな技術を教えて言っても、僕がやってきたことや、これまでレギュラーだった人たちは、毎試合での緊張感だったり、オフにいろんなことを考えてやってきている。それを超えるのは簡単なことではないと思うので、僕はまだまだ壁でいたいですし、(若い選手より)上回っていたい。いろんな選手が出てくるのはいいことだと思いますが、自分の仕事がなくなるのは困るので、しっかりやりたいなと強く思っています」
有言実行。教えを乞われる立場だからこそ、自らで示しを見せていかなければならない。広島の選手として、初めてフルシーズン戦う今シーズン、秋山翔吾がどんな姿を見せるのか。その心は今、チームカラーのごとく真っ赤に燃えているのかもしれない。
取材・文●岩国誠
岩国誠(いわくにまこと):1973年3月26日生まれ。32歳でプロ野球を取り扱うスポーツ情報番組のADとしてテレビ業界入り。Webコンテンツ制作会社を経て、フリーランスに転身。それを機に、フリーライターとしての活動を始め、現在も映像ディレクターとwebライターの二刀流でNPBや独立リーグの取材を行っている。
「今は自分がどういう練習をしたいかを選べる時期ですからね。その中でも、選んでここに来てくれている以上、何かを持って帰ってもらいたい。わざわざ僕の何かを求めてきてくれていると思うので、しっかりと受け止めて、言葉であれなんであれ、見せてあげなければいけないなと思います」
アドバイスは打撃だけではなく、捕球動作や送球など様々。その中でも、宇草や五十幡、育成の澤野、独立リーグや女子野球の選手では、求められるアドバイスも変わってくる。どのように対応しているのか。
「同じアドバイスにはならないように心がけています。『この打ち方がいいから、全員この打ち方で』というのは、僕はやらない方がいいと思っているので、聞いてくる質問によって、ちゃんと言葉で説明できるようにしないとなと思ってやっています。右左だったり、どういうタイプになりたいかとか色々ありますが、どういう風な練習をやったらいいかと聞かれたときに、ちゃんとやって見せることは最低限必要だと思っています」
男女やカテゴリーに関係なく、誰に対しても真摯に向き合い、熱心に指導する。時には時間を忘れて、慌てて自分の打撃メニューをこなす姿も見かけた。囲み取材では、ひとつの質問に対して、自分の言葉で納得いくまで伝える。自分に対しても、相手に対しても真っ直ぐにストイック。こうした秋山らしい実直な姿勢も広島が求めているものだったのかもしれない。
広島は今年から新井貴浩氏が新監督に就任。今回、自主トレに参加している宇草だけでなく、外野のレギュラーを狙う若手の台頭が期待されている。
「そうならないとチーム力は上がらないですが、簡単に譲る気はないです。いろんな技術を教えて言っても、僕がやってきたことや、これまでレギュラーだった人たちは、毎試合での緊張感だったり、オフにいろんなことを考えてやってきている。それを超えるのは簡単なことではないと思うので、僕はまだまだ壁でいたいですし、(若い選手より)上回っていたい。いろんな選手が出てくるのはいいことだと思いますが、自分の仕事がなくなるのは困るので、しっかりやりたいなと強く思っています」
有言実行。教えを乞われる立場だからこそ、自らで示しを見せていかなければならない。広島の選手として、初めてフルシーズン戦う今シーズン、秋山翔吾がどんな姿を見せるのか。その心は今、チームカラーのごとく真っ赤に燃えているのかもしれない。
取材・文●岩国誠
岩国誠(いわくにまこと):1973年3月26日生まれ。32歳でプロ野球を取り扱うスポーツ情報番組のADとしてテレビ業界入り。Webコンテンツ制作会社を経て、フリーランスに転身。それを機に、フリーライターとしての活動を始め、現在も映像ディレクターとwebライターの二刀流でNPBや独立リーグの取材を行っている。