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プロ野球

栗山巧が西武一筋プロ22年目に「特別な場所」を守る意欲「もっと泥臭く。強い気持ちで打席に入る」<SLUGGER>

岩国誠

2023.01.26

 昨年は89試合に出場し、打率.264、3塁打&29打点。特に5月下旬までは打率1割台と苦しんだ。

「綺麗に打とうとしすぎてしまったので、もっと泥臭く。やっぱり自分の持ち味は、なんとかバットに当てて野手にいないところに打つ、そこに立ち返って。形はどうであれ、そういう強い気持ちをもって打席に入る。そのために(今は)やっています。与えられた役割でというところもありますが、チャンスがあるのであれば、しっかり出場機会は勝ち取れるようにやっていきたい。普通にやるのであれば100試合以上は出たいと思いますし、3割以上は打ちたいと思っています」

 先発出場は63試合。いずれも指名打者だった。一軍でデビューした04年以降では、初めて1年間守備につくことがなかったが、今年は『当然守るつもりで』と即答し、こう続けた。

「やっぱり、レフトのライオンズファンを背にしっかり守るっていうのは、非常に特別な場所でもありますから、レフトは何試合かでも守ると。全試合とは言いませんけど、そこは目標にしたいですね」

 チームが苦しかった時代も、背中でその声援を受けてきた。そう簡単に譲れないものがあるのだろう。去年のレフト最多出場は退団したオグレディの97試合。次に外野手で多くスタメン出場したのはライトの愛斗で64試合と、外野の全ポジションがレギュラー不在の状況だ。
 
「本当にいい選手がいっぱいいますし、誰がレギュラーをとってもおかしくない状況だと思います。各選手を見ても数字以上に個性はあるし、それを自分がどれだけアピールできるかというところだと思うので、いい競争ができると思います。楽しみです。僕としたら、ベストな状態でしっかりアピールして、開幕からスタメンで行けるようにってイメージをもっていきたいと思います」

「空いている1番・3番を打ちたい」と、上位を打つことにも意欲を見せた栗山。この日は上下とも鮮やかなスカイブルーのジャージに身を包み、ドラフト同期の中村剛也から手渡されたオールドデザインのキャップをかぶった。その姿は常勝軍団だった1990年代のライオンズを思い起こさせた。

 キャップを託した中村も、この日は室内練習場で精力的にバットを振っていた。若獅子たちの挑戦は望むところ。22年目の栗山は、松井稼頭央新監督のもとで新しい常勝軍団を築くため、まだまだそのポジションを譲る気はない。

取材・文●岩国誠

岩国誠(いわくにまこと):1973年3月26日生まれ。32歳でプロ野球を取り扱うスポーツ情報番組のADとしてテレビ業界入り。Webコンテンツ制作会社を経て、フリーランスに転身。それを機に、フリーライターとしての活動を始め、現在も映像ディレクターとwebライターの二刀流でNPBや独立リーグの取材を行っている。
 

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