専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
侍ジャパン

【WBC】経験豊富な甲斐、臨機応変の中村、打撃の大城――名捕手・谷繁元信が侍ジャパンの捕手運用を占う!<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2023.03.03

――打撃面ではどうでしょう?

 甲斐は出会い頭というか、意外性がある。昨年のレギュラーシーズンは不振でしたが、意外にパンチ力がありますよね。中村はチームでいろいろな打順を打っているので、バントやエンドラン、バスターといったチームバッティングができる印象があります。大城はもともと長打を打てるバッター。間違いなくパワーはあると思います。

――続いて、大会での具体的な運用についてお聞きします。WBCではレギュラーシーズンと違い、未知の相手との戦いになります。それだけデータも少ない中で、捕手はどのようなアプローチで大会に臨むのでしょうか?

 少ないながらもある程度情報はあるので、まずそれをしっかり頭に入れておく。ただ、その情報だけに頼るわけにはいかない部分が絶対に出てくるので、そういう時に相手をどれだけ観察して、決断して、投手に要求できるかということが必要です。

――具体的にはどのような状況が考えられますか?

 たとえば、データでは待球型だけれども、1打席目の動きを見ると、2打席目は積極的に振ってくるかもしれないとか。変化球打ちが得意だけれども、ストレート系を狙ってくるタイミングなのかなとか。データとは異なるボールで抑えられると、捕手が感じられるかどうか。そして、そう感じた時にそのボールで攻めることができるかということですね。
 
――3人の中で、そういう技能に最も秀でている選手は誰ですか?

 僕が思うのは中村ですね。

――「臨機応変さ」という点でも、中村はキーマンになりそうな感じがしますね。

 もちろん、甲斐でも問題ないと思います。何度も日本一を経験しているし、オリンピックでも正捕手を務めた。そういう切羽詰まった戦いを重ねれば重ねるほど、迷いも出てくるし、怖さも知っている。もともと状況を見られるキャッチャーですし、臨機応変さという点では申し分ないでしょう。

――となると、どちらが大会のメイン捕手になりそうですか?

 経験値からすると、甲斐じゃないですかね。でも、中村も、もちろん大城もいつでも出ていく準備はしておかないといけないです。
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号