専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
侍ジャパン

杉内俊哉や千賀滉大が奮闘した「第2先発」の重要性。侍J世界制覇のカギとなる役割を担うのはいったい誰か?【WBC】

THE DIGEST編集部

2023.03.02

普段は「ハマのエース」として先発のマウンドに立つ今永。完投型の彼にとって第2先発としての調整は決して楽ではない。写真:梅月智史

普段は「ハマのエース」として先発のマウンドに立つ今永。完投型の彼にとって第2先発としての調整は決して楽ではない。写真:梅月智史

 25と26日の壮行試合では、3投手にそれぞれに収穫と課題があった。

 25日に2回を投げ、被安打0、3奪三振と、結果だけを見ると完璧に抑えた今永だが、実は登板直前にちょっとしたハプニングがあった。

「ノーアウト一、二塁から甲斐さんがゲッツーになった場面がありました。僕、あの時にノーアウトだったので、ロッカーに帰ったんですよね。そして、戻ってきたらゲッツーがあったって言われて。その後に登板予定だったんで、ちょっと心の中でヤバイって思いました」

 それでも何とかメンタルをコントロールし、平常心を保った今永は快投を見せた。

 マウンド上で今永はインコースのストレートとスプリット、時にスライダーを投げわけた佐々木のピッチングをうまく活用した。高めのストレートを効果的に使って押していったのだった。

 佐々木の場合、低めの変化球の見極めがポイントになるが、今永はそれを逆手に取り、高めに投げ込んだ。メジャースカウトの話ではストレートの回転数が日本球界で屈指という今永のボールに対応するのは難しかった違いない。

 その後に、侍ジャパン打線が4点を先制したのは、今永のピッチングが生んだ流れが無関係ではないだろう。

 26日の2戦目で先発した山本由伸の後を受けた高橋奎も2安打を浴びながら無失点で要所を締めた。
 
 この日の高橋奎はチェンジアップが冴えた。それでも、当人は本来のピッチングではなかったと反省。次へ向けてこんな話をした。

「初めは緊張したんですけど、結果的に0点に抑えられたのはよかったです。でも、2アウトから四球を出したりしたので、こういうのは得点につながったりする。(次回登板では)ないようにしていきたいなと思います」

 WBC球への対応は試合を投げるたびに馴染んでいくと選手たちは口を揃える。

 多少の力みが出てきてしまう時もあるが、ルール変更により日本製のロジンを使えるのもプラスになる。そう考えると、やはり難しいのはいつやってくるか分からないタイミングでの登板であろう。

 壮行試合で思わぬハプニングを経験した今永は、その中で見つけられたものがあった。

「自分は100%、120%を出さないと抑えられない選手ですけど、例えそれができなくても、いかに修正していけるか。100%の状態で臨みたいのもありますけど、今日のようにうまくいかないことがあっても気にしないことですね。

“これも野球のひとつ”っていうふうに思いながら準備をしていたので、そういうマインドで上がった方が自分のパフォーマンスが上がりますし、引きずりながらマウンドに上がるよりは、こんなマインドの方がパフォーマンスは上がりやすいということを発見できました」
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号