試合後、栗山監督は「翔平らしい」と“愛弟子”のプレーを、目を細めながら、どこか感慨深げに振り返った。
「ずっと彼を見てきて、翔平らしさが出るときっていうのは、実はああいうときで。投げる、打つは別として、『この試合は絶対勝ちにいくんだ』と、野球小僧になりきった時に彼の素晴らしさが出る。翔平の話ってあんまりしないですけど、そういう彼の想いって見てる人も感じてくれたと思う。そういう魂を持ってやるんだっていうところが見れたのは良かったと思う」
思い返せば、メジャー史上初の「30本塁打以上&2桁勝利」「投打でのダブル規定到達」と快挙を達成した昨季も、“野球少年”のような姿を見せた時ほど大谷の異能ぶりは発揮された。とりわけ筆者が印象深いのは、昨年6月9日のボストン・レッドソックス戦だ。
当時のエンジェルスは球団ワーストの14連敗中。名将ジョー・マッドン監督を更迭し、ヘッドコーチだったフィル・ネビン(現監督)を監督代行とするなど、泥沼にハマっていた。そのなかで二刀流で先発した大谷は、打っては逆転2ランを放ち、投げても7回、1失点、6奪三振の熱投を披露。マウンド上で幾度となく叫び、気迫でチームを鼓舞し続ける姿には、強いインパクトを受けた。
もちろん代表と所属チームでは求められる役割は異なる。しかしながら、とにかく勝つために自分がなんとかするという姿勢は変わらない。そして、そんな大谷の気迫はチームにも伝播する。16日のイタリア戦で、打率1割台で苦しんでいたなかで、5回裏にタイムリーツーベースを放った村上宗隆(ヤクルト)は言う。
「今日に懸ける想いは伝わってきました。僕らも負けたら終わりでしたし、大谷さんの作ってくれた勢いに乗っていけました」
ここから侍ジャパンはマイアミに移って準決勝に挑む。対戦する可能性がある相手は、いずれも大物メジャーリーガーたちを擁した強国ばかりだ。しかし、そんな“野球の本場”を舞台にしたビッグゲームでこそ、極限のプレッシャーのなかで結果を残してきた大谷に期待をせずにはいられない。
取材・文●羽澄凜太郎(THE DIGEST編集部)
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当時のエンジェルスは球団ワーストの14連敗中。名将ジョー・マッドン監督を更迭し、ヘッドコーチだったフィル・ネビン(現監督)を監督代行とするなど、泥沼にハマっていた。そのなかで二刀流で先発した大谷は、打っては逆転2ランを放ち、投げても7回、1失点、6奪三振の熱投を披露。マウンド上で幾度となく叫び、気迫でチームを鼓舞し続ける姿には、強いインパクトを受けた。
もちろん代表と所属チームでは求められる役割は異なる。しかしながら、とにかく勝つために自分がなんとかするという姿勢は変わらない。そして、そんな大谷の気迫はチームにも伝播する。16日のイタリア戦で、打率1割台で苦しんでいたなかで、5回裏にタイムリーツーベースを放った村上宗隆(ヤクルト)は言う。
「今日に懸ける想いは伝わってきました。僕らも負けたら終わりでしたし、大谷さんの作ってくれた勢いに乗っていけました」
ここから侍ジャパンはマイアミに移って準決勝に挑む。対戦する可能性がある相手は、いずれも大物メジャーリーガーたちを擁した強国ばかりだ。しかし、そんな“野球の本場”を舞台にしたビッグゲームでこそ、極限のプレッシャーのなかで結果を残してきた大谷に期待をせずにはいられない。
取材・文●羽澄凜太郎(THE DIGEST編集部)
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