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プロ野球

【密着女子アナが見た巨人】「ジャイアンツのみんなとビールかけがしたい!」若きエース戸郷翔征の自覚と自信<SLUGGER>

真鍋杏奈

2023.05.02

「今後の野球人生の幅が広がったし、もっと成長していかないといけないと思った」。大きく刺激を受け、いつかメジャーに行くという夢を強く持って帰ってきた。

 少し余談になるが、戸郷投手は宮崎県の出身。私が以前、宮崎の放送局にいたこともあり、入団時から注目していた。高卒1年目で一軍に昇格し、プロ初勝利を挙げた時には、親心のような感情を抱いたのを覚えている。

 当時からよく取材をしていたが、ここ数年はコロナ禍もあって直接話を聞くことができなかった。先日、久しぶりに対面で話を聞いた時に感じたのは、戸郷投手の雰囲気が変わっていたことだ。

 もともとルーキーの時から、自分の考えをしっかり言葉にしてハキハキ話すなど大人びた性格という印象があったが、そこに責任感と自信が加わり、貫禄がついてきた。こういう成長を感じるのは、取材者冥利に尽きる。

『若きエース』――原監督は戸郷投手のことをこう表現する。

 本人は、「エースと呼んでいただくことは嬉しいが、まだまだ菅野さんと競って、菅野さんと一緒にやっていく立場」と前置きした上で、「エースは、チームが苦しい時にどれだけ勝てるか、チームを救える人だと思う。(離脱中の)菅野さんが戻ってくるまでは、僕がチームを引っ張っていけたら。チームのために戦っていきたい」と、自分なりの“エースの自覚”も語った
 今季、戸郷投手は個人の目標として『沢村賞』を掲げている。

「防御率を昨年より下げて、15勝5敗くらいの数字で、より一層自分のピッチングを高めていきたい。」

 そして、もう一つの目標は『ビールかけをすること』。

 実は、戸郷投手はまだジャイアンツの仲間たちと喜びを分かち合うビールの味を知らない。

 19年のリーグ優勝時は、未成年だったため会場にいたものの「未成年です。お酒をかけないでください」と書かれたカードを首からぶら下げ、炭酸水を浴びていた。20年のリーグ優勝時は、コロナ禍のためビールかけは中止だった。

「(WBCの時の)シャンパンファイトが最高だったので、ジャイアンツのみんなとビールかけがしたい!想像しただけで、みんなの笑顔が浮かんでくる」。そう、話しながら笑っていた。

「自分の投球でみんなを笑顔にしたい」

 たくさんの夢を描く、23歳若きエースの未来が楽しみで仕方がない。そう思うのは私だけではないはずだ。さらなる高みを目指し、チームのために腕を振る姿を今年も全力で応援したい。

文●真鍋杏奈(フリーアナウンサー)

まなべあんな。ホリプロ所属。フリーアナウンサー。ラジオ日本「ジャイアンツナイター」リポーターやYouTube「プロ野球OBクラブチャンネル」MCを担当。その他、社会人野球、高校野球の番組を務める。

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