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MLB

ドラフト全体1位指名の重圧に苦しんだミッキー・モニアック。弱点を克服して「第4の外野手」以上の存在になれるか<SLUGGER>

城ノ井道人

2023.05.30

 モニアックの伸び悩みには、「全体1位指名」のプレッシャーも少なからず作用していたに違いない。彼はある記事で次のように語っている。

「ドラフトされて1年目、ルーキーリーグから帰って来たら家族や友人が聞くんだ。2Aはどこなの? 3Aはどこなの? って。違うんだよ。メジャーへの真っすぐな道なんてないんだ。みんなそれぞれの道のりを経るものなんだ」

 20年にメジャー初昇格し、21年には初本塁打を記録。22年はオープン戦で打率.378、6本塁打と猛アピールして初の開幕ロースター入り間違いなしと思われた。ところが、開幕直前に右手首に死球を受けて骨折。8月にトレードで故郷に近いエンゼルスに移籍した直後にもバントを試みて左中指を骨折、9月28日にも左手甲に死球を受けた。度重なる不運に、人目をはばからず涙を拭いながらベンチに下がる場面もあった。

 だが、それでもモニアックの心は折れなかった。オフにフィル・プランティアー打撃コーチ補佐のと打撃フォームの改造に取り組み、重心を中心に固定して頭を動かさない形を作った。また、ボールをよく見えるためオープン気味のスタンスに変えた。
 すると、今年のオープン戦でも結果を残し、3Aでも33試合で打率.308、8本塁打、23打点と好調をキープして5月13日に初昇格を果たす。奇しくも自身の誕生日と重なったこの日のガーディアンズ戦で史上初となる「誕生日にシーズン初戦を迎えての先頭打者本塁打」を達成する幸先良いスタートを切ると、2日後にも一発。昇格10試合で打率.419、4本塁打、7打点に加えて2盗塁、外野守備でも好守を連発とこれまでの鬱憤を晴らすような活躍を見せている。

 フィル・ネビン監督は「彼の才能にはいつも感心させられる。ベースボールでは、肉体的にも精神的にも成長に少し時間がかかる人もいるということだ」と目を細める。だが、モニアックの勢いが「本物」であるかはまだ判断を待たなければならない。

 対左腕の弱さに加えて空振り率の高さも要改善で、冷静に評価をすれば現状ではまだ「4人目の外野手」の域を出ていないと言えるだろう。メジャー昇格直後は目を見張る活躍を見せても、その後は弱点を突かれていつの間にか消えていった選手は星の数ほどいる。モニアックが真価を問われるのはこれからだ。

文●城ノ井道人

【著者プロフィール】
しろのいみちと。会社勤めの後、渡米してMLB記者として全米を飛び回る。。日米問わず若手有望株への造詣が深く、仲間内で「日本版ファンタジーリーグ」を毎年開催し、次代のスター発掘に余念がない。

 
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