もっとも、この点は判断が難しいのだろう。今のメッツはベテランが多く、選手たちはシーズンの長さを理解しているはずだ。
昨季を振り返っても、6月6日の時点でのメッツは38勝19敗だったが、後に地区制覇を飾るブレーブスはまた28勝27敗で、ワールドシリーズまで進出するフィリーズに至っては、25勝29敗と負け越していた。
メッツの内部にも、少しずつポジティブなサインは見えてきている。最初の43戦では先発投手が6イニング以上を投げたゲームは7度しかなかったが、以降の17試合では10度を数える。バーランダーとマックス・シャーザーが健康を取り戻し、7月中には、左肋骨骨折で離脱中のキンターナも戻ってくる。
元気のなかった打線にも、フランシスコ・アルバレスやマーク・ビエントス、ブレット・ベイティなどの若手が積極的に登用され、徐々に勢いを取り戻しつつある。特に4月上旬に昇格したアルバレスは、最初の33試合で8本塁打を放ってミニセンセーションになった。
それに加えて、序盤はやや出遅れたリンドーア、マーテイ、マーク・カナ、マクニールといったベテランにエンジンがかかってくれば面白くなる。エンジン全開とはいえないまでも、これまで勝率5割を保ってきたのだから、後はシーズンが進むにつれてペースを上げ、チーム全体が研ぎ澄まされていけば……。
「このチームに負けは似合わない。僕自身もそれを思ってマウンドに上がっている。チームの一員にしっかりとなるために、いいピッチングをするという気持ちでマウンドに上がりました」
5月上旬に千賀が話していた通り、実際にこれだけのビッグネームが揃ったチームがこのまま停滞を続けるとは思えないのも事実だ。
果たして、ここからペースアップしていけるのか。それともこのままギアチェンジできず、夏の移籍市場でさらなるテコ入れがあるのか。
安定した強さを誇るヤンキースだけでなく、メッツも強いシーズンにこそ、ニューヨークは本物の熱気を帯びる。ここまで地元を失望させてきた感は否めないが、まだ可能性は残っている。名高い“ベースボール・シティ”をさらに盛り上げるべく、スター軍団の復調に期待したいところだ。
文●杉浦大介
【著者プロフィール】
すぎうら・だいすけ/ニューヨーク在住のスポーツライター。MLB、NBA、ボクシングを中心に取材・執筆活動を行う。著書に『イチローがいた幸せ』(悟空出版 )など。ツイッターIDは@daisukesugiura。
昨季を振り返っても、6月6日の時点でのメッツは38勝19敗だったが、後に地区制覇を飾るブレーブスはまた28勝27敗で、ワールドシリーズまで進出するフィリーズに至っては、25勝29敗と負け越していた。
メッツの内部にも、少しずつポジティブなサインは見えてきている。最初の43戦では先発投手が6イニング以上を投げたゲームは7度しかなかったが、以降の17試合では10度を数える。バーランダーとマックス・シャーザーが健康を取り戻し、7月中には、左肋骨骨折で離脱中のキンターナも戻ってくる。
元気のなかった打線にも、フランシスコ・アルバレスやマーク・ビエントス、ブレット・ベイティなどの若手が積極的に登用され、徐々に勢いを取り戻しつつある。特に4月上旬に昇格したアルバレスは、最初の33試合で8本塁打を放ってミニセンセーションになった。
それに加えて、序盤はやや出遅れたリンドーア、マーテイ、マーク・カナ、マクニールといったベテランにエンジンがかかってくれば面白くなる。エンジン全開とはいえないまでも、これまで勝率5割を保ってきたのだから、後はシーズンが進むにつれてペースを上げ、チーム全体が研ぎ澄まされていけば……。
「このチームに負けは似合わない。僕自身もそれを思ってマウンドに上がっている。チームの一員にしっかりとなるために、いいピッチングをするという気持ちでマウンドに上がりました」
5月上旬に千賀が話していた通り、実際にこれだけのビッグネームが揃ったチームがこのまま停滞を続けるとは思えないのも事実だ。
果たして、ここからペースアップしていけるのか。それともこのままギアチェンジできず、夏の移籍市場でさらなるテコ入れがあるのか。
安定した強さを誇るヤンキースだけでなく、メッツも強いシーズンにこそ、ニューヨークは本物の熱気を帯びる。ここまで地元を失望させてきた感は否めないが、まだ可能性は残っている。名高い“ベースボール・シティ”をさらに盛り上げるべく、スター軍団の復調に期待したいところだ。
文●杉浦大介
【著者プロフィール】
すぎうら・だいすけ/ニューヨーク在住のスポーツライター。MLB、NBA、ボクシングを中心に取材・執筆活動を行う。著書に『イチローがいた幸せ』(悟空出版 )など。ツイッターIDは@daisukesugiura。
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