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MLB

大谷が“投手史上最強打者”となるまでにはあと6年!?ファーレルが持つ投手歴代最多本塁打記録へあと30本<SLUGGER>

出野哲也

2023.06.19

ウェス・ファーレル(右)は通算193勝&38本塁打。31年の9本塁打は投手の歴代最多記録だ。兄リック(左)は捕手だった。(C)Getty Images

ウェス・ファーレル(右)は通算193勝&38本塁打。31年の9本塁打は投手の歴代最多記録だ。兄リック(左)は捕手だった。(C)Getty Images

 この10人のうち、9人は70年代までに現役を退いた選手であって、唯一近年の投手でここに食い込んでいるのがカルロス・ザンブラーノ。2001年にメジャーへ昇格し、カブスのエース格として通算132勝、ノーヒッター達成の経験もある。“ビッグZ”の異名通り大柄な体格で力強い打球を放ち(スイッチヒッターでもあった)、06年の6本を最多として、03年以降の10年間は毎年必ず1本はホームランを打った。

 現役ではマディソン・バムガーナーの19本が最多だが、4月にダイヤモンドバックスを戦力外となって以来所属球団がなく、“現役”として扱うべきか微妙なところ。これに続くアダム・ウェインライト(カーディナルス、10本)は41歳、今季限りでの引退を明言しているし、ザック・グレインキー(ロイヤルズ、9本)も39歳とあって、いつそうなってもおかしくない。
 
 ナ・リーグのDH導入に伴い、他の投手はもう打席に立たなくなっているため、大谷が現役最多となる日はすぐそこだ。そして年5本ペースで打ち続ければ、6年後には37本となる計算。ファーレルに追いついて、名実ともに「投手として史上最高のバッター」となった日には、DHが廃止されない限り――もしくは大谷を超える二刀流が現れない限り――誰にも追い越されなくなる。

 ファーレルの時代にDHはなく、ザンブラーノもナ・リーグにいたので同様だった。もしDHのある環境だったら、彼らも二刀流に挑戦していただろうか? 試みていたとしても、大谷のようにフルタイムで投打両方を続けるのは難しかったろう。技術面だけではなく、体力や精神力も必要な二刀流で、何年も最高レベルの成績を残している大谷は、やはり唯一無二の存在なのだ。

文●出野哲也

【著者プロフィール】
いでの・てつや。1970年生まれ。『スラッガー』で「ダークサイドMLB――“裏歴史の主人公たち”」を連載中。NBA専門誌『ダンクシュート』にも寄稿。著書に『メジャー・リーグ球団史』『プロ野球ドラフト総検証1965-』(いずれも言視舎)。

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