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プロ野球

岡田タイガース最大の強みは投手陣の制球力。18年ぶりの優勝へ向けて改善必須な2つの弱点とは?<SLUGGER>

DELTA

2023.07.04

 最後に今後、優勝を狙う上でのポイントにも触れておきたい。すでに長打力について課題を述べたが、別の視点で切り取ってみよう。阪神の明確な課題は外野両翼の人材不足だ。

 ここまで、中堅の近本がリーグトップクラスの活躍を見せているものの、左翼、右翼については非常に貢献が乏しい。左翼はシェルドン・ノイジーを重用しているが十分な働きを見せられておらず、右翼はレギュラーが定まっていない。

 これらポジションにどれほどの問題があるかは、攻守における総合的な貢献度を表す指標WAR(Wins Above Replacement)[1]を見てみると明らかだ。12球団全ポジションでWARを集計し、値が低い順に並べたものが以下の表である。

▼2023年12球団ポジション別WARワーストランキング
阪神・左翼    -1.5
楽天・一塁    -1.2
西武・中堅    -1.1
阪神・右翼    -1.1
日本ハム・二塁    -1.1
 
 12球団で最もWARが低いのは阪神の左翼。そして、楽天の一塁、西武の中堅を挟んで、その次に低いのが阪神の右翼だ。阪神の外野両翼は、12球団全体で見ても最も貢献が乏しいポジションのうちの2つなのだ。両ポジションとも、攻撃もさることながら守備指標UZR(Ultimate Zone Rating)[2]で見た場合の貢献度も低い。阪神ファンもこれほど大きな穴とは思っていなかったのではないだろうか。

 しかし弱点が大きいということは逆から見ると、伸びしろが大きいとも考えられる。もし平均的な選手が今後このポジションに台頭すれば、それだけでチームは主力選手を新たに獲得したレベルのインパクトを得ることができるのだ。

 阪神の外野陣には、前川右京、井上広大、森下翔太など期待の若手が多い。特に前川は、これまで出場19試合とサンプルは小さいものの、打率.297、出塁率.384と好成績を残している。彼も含め、若武者の活躍が18年ぶりの優勝のカギを握っていると言えるかもしれない。

[1]WAR(WIns Above Replacement):控えレベルの選手が出場した場合に比べチームの勝利をどれだけ増加させたかを表す
[2]UZR(Ultimate Zone Rating):同ポジションの平均的な守備者に比べ、野手の守備でチームの失点をどれだけ減らしたかを表す
[3]データは7月32日終了時点

文●DELTA(@Deltagraphs/https://deltagraphs.co.jp/)

【著者プロフィール】
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』の運営、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。
 
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