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プロ野球

【現役ドラフトを考える Vol.2】THE DIGEST私案:最も重要なのは出場機会。ウェーバーではなく選手に選択権を

出野哲也

2019.12.16

 では上記の条件を、ソフトバンクを例として当てはめてみよう。12月9日現在、来季も契約下にある日本人選手は全部で73名。このうち来季で25歳未満/入団5年以下の38名をまず指名対象から外す。残りの35名のうち、上記の「一軍戦力」の条件を満たしたのは28名。さらにFA権を取得している長谷川勇也を除外すると、以下の5人が残った。

岩嵜翔
和田毅
川原弘之
西田哲朗
真砂勇介

 このうち岩嵜と和田は故障が長引いたせいで「戦力」の条件をクリアできなかっただけで、決して飼い殺しにされているわけではない。このようなケースを防ぐため、「年俸5000万円以上の選手は対象外」という規定を新たに作る。 そうすると岩嵜と和田が外れ、川原、西田、真砂の3人が残る。一軍での実績がある西田、二軍ではまずまずの成績を残している真砂は、環境を変えれば活躍する可能性があって、まさしく現役ドラフトの趣旨に沿う選手たちと言える。
 
 また、指名方式は単純なウェーバー順とせず獲得を希望する複数の球団に入札させ、さらにクジではなくFAのように選手に選ばせてはどうだろうか。と言うのも、普通に1球団だけに指名された際、そこが現所属球団と比べて特に出場機会が増えなそうなチームだとしたら、移籍する意味がないからだ。

 例として、中日、阪神、西武の3球団が真砂の獲得を希望したとする。ウェーバーでは中日、次いで阪神の順だが、本拠地球場が広く打者に不利な球団では好成績を残しにくいと真砂が判断するなら、西武を選んでもいいわけだ。直接的には戦力均衡を目的とした制度ではないから、必ずしもウェーバー順である必要はないと考える。また、特定球団の乱獲を防ぐため、1球団が入札できるのは3名までといった制限を設ける。実施時期は、FA選手の移籍およびその補償が決定してからキャンプインまでの間がいいだろう。
 
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