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プロ野球

【現役ドラフトを考える Vol.2】THE DIGEST私案:最も重要なのは出場機会。ウェーバーではなく選手に選択権を

出野哲也

2019.12.16

 では、指名されて移籍した選手は、ルール5ドラフトのように一軍登録を義務づけるべきだろうか? その必要はないと思われる。不振でも一軍に置いておかなければならないとなると、その選手に対する風当たりも強くなるし、そのせいで制度自体が批判されて廃止の方向に向かいかねないからだ。ルール5ドラフトで認められている旧所属球団への返還も、日本ではファン感情にそぐわない。移籍先の球団でまた飼い殺しになった場合も、出場試合数の規定を満たさないと1年後には再び指名対象になるから問題はない。

 この方式で問題となる可能性があるのは、特定の球団から移籍する選手が多数出る可能性だ。例えば中日には対象選手が育成も含め11人もいて、複数名が他球団に流出し、逆に1人も獲得できないとロースターに大きな穴が空く。このような事態を避けるには、指名前の保有人数から3人以上減ってしまった場合、その人数分を指名されなかった選手の中から再指名できるようにすればいい。
 
 もう一つ、長期にわたり故障していた、または現在故障中の選手は、どうしても出場試合数の条件を満たせず指名対象になってしまう点も不都合。岩嵜や髙橋朋巳(西武)、釜田佳直(楽天)などがそれに該当する。この点に関しては正直有効な対策が思いつかず、故障者リスト制度などの導入も検討が必要だろう。

 最後に改めてこの私案の概要を記すと以下のようになる。
 
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