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高校野球

【西尾典文が選ぶ甲子園ベストナイン】仙台育英と慶応からは計1名のみ。「プロでの活躍可能性」を基準に選出<SLUGGER>

西尾典文

2023.08.25

 サードは迷いなく森田を選んだ。1回戦の鳥取商戦では内角高めのストレートを捉えてレフトスタンドへ運び、続く高知中央戦でも高めのストレートを左中間へ叩き込んでみせた。身体の近くから鋭く振り出せるスイングの軌道は理想的で、内角球をさばく上手さは天下一品。引っ張るだけでなく、右方向にも強く打てるのも魅力だ。貴重な右打ちの強打のサードということでプロからの評価も高い。

 ショートは中澤恒貴(八戸学院光星3年)、山田脩也(仙台育英3年)、八木陽(慶応3年)、百崎蒼生(東海大熊本星翔3年)など好素材が多かったが、プロ向きの選手となるとやはり横山がナンバーワンだろう。チームは開幕戦でタイブレークの末に敗れ、横山自身も1安打に終わったが、ショートゴロをさばいただけでその動きの速さと正確で強いスローイングにスタンドがどよめくほどだった。シートノックのボール回しからその送球の速さは際立っており、力強い打撃と脚力も目立つ。大型ショートとして早くからプロでしっかり育ててもらいたい選手だ。

 外野はともに決勝に進出した橋本航河(仙台育英3年)、丸田湊斗(慶応3年)、加藤右悟(慶応2年)なども当然候補となったが、プロ向きという意味で松本、西、正林の3人を選んだ。
 松本は初戦は力みから不発に終わったが、徳島商戦では森からセンターバックスクリーンに叩き込むなど持ち味の強打を十分に発揮。たくましい体格で下半身の強いスイングが大きな長所だ。木製バットにしっかり対応して、守備、走塁がレベルアップすれば将来的なプロ入りも見えてくるだろう。

 西は高いレベルで走攻守三拍子揃ったセンター。脚力は今大会でも屈指で、それでいながらしっかり振り切って強く引っ張れる打撃も光る。プロ志望なら指名の可能性も高い。正林は2年生とは思えない打撃技術が光る。今大会は5試合全てでヒットを放ち、センター中心に強烈な打球を連発した。来年は九州を代表する打者になりそうだ。

 優勝した慶応からは0人、準優勝の仙台育英からも捕手の尾形だけという結果。プロ向きの選手はむしろ序盤に敗退したチームに多かった印象を受けた。目玉候補の佐々木を筆頭に黒木、森田、横山なども、10月のドラフト会議に向けてぜひ覚えておいてもらいたい選手である。


文●西尾典文

【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間400試合以上を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。
 

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