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大学野球

コロナ禍の自主トレで大きく飛躍した‟二刀流”! プロ数球団が注目する近畿2部の大砲はMAX153キロのリリーバー

大友良行

2023.10.15

 父親や兄も野球経験者だったので練習相手をしてくれた。コロナ禍で全体練習ができない分、逆にうまくコロナ禍を利用し、大きく伸びた選手の一人だ。特に父親は大阪体育大浪商高で本格的にやっていただけに仕事の合間を縫って基本を徹底的に教わった。そしてブレイクしたのが昨秋のリーグ戦。10試合で打率.292、4本塁打、9盗塁の結果を残し、注目されるようになった。しっかり見極める選球眼もあり四球出塁率も高い。飛距離も出るようになり、ホームラン打者に急成長。足も50メートル6秒。肩も強く遠投120メートルも投げる。
 
 同校人間学部の教授でもある雑賀亮一部長兼監督は次のように見ている。

「田中は今までバリバリにやってなかった分、補欠の気持ちも分かってくれるし、全体を見て仲間に気が付いた注意点を話したりしている。プロを目指しているので優しすぎない方がいいとは思いますが、自分の力でここまで伸ばしてきたんで、最後まで自分を信じて自分で自分を伸ばしてほしい。プロには行ってほしいですね。打つ方も、投げる方も高めてきていますし、まじめなので全く心配はしていません」

 ところで二刀流のもうひとつ「投」の方はどうだろうか。

 今秋は登板機会が少ないが、やる気は満々だ。先月末には、神戸医療大相手に1イニングを投げた。フォークを使い、2三振を奪ってまずまずの結果を残した。「先発、完投とかいうのではなく1イニングを全力で投げたいです。勝負するのが好きなので。MAX153キロの真っすぐを軸にカット、フォークを駆使し、カーブ、スライダー、チェンジアップを混ぜて打たせて取るか、三振を取りにいきたいです。最後なので思い出になるようないい結果を出したい。どっちに転んでも自分が悔いのないようにしたい」と決意のほどを語る。

 糸井嘉男(日ハム、阪神)と吉田正尚(レッドソックス)に憧れている。ドラフトはもう目の前だ。

取材・文●大友良行
 

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