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MLB

選手、フロント、オーナーが一丸となって手にした初の頂点――実は健全なレンジャーズの「カネで買った優勝」<SLUGGER>

久保田市郎(SLUGGER編集長)

2023.11.02

 だが、クリス・ヤング編成総責任者はその後も積極的に動いた。22年オフにはジェイコブ・デグロム、イオバルディ、アンドリュー・ヒーニーら先発投手を中心に再び大型補強を仕掛け、さらには名将ブルース・ボウチーを招聘。「勝利」に強い賭ける思いを行動で示してきた。

 この2年間で費やした金額は8億ドル以上。現在のレートにすると、日本円にして実に1200億円以上に達する。もちろん、これだけの大型補強は、オーナーの後ろ盾なしには不可能だ。
 
 表向きは「優勝を目指している」と言いながら、ぜいたく税の支払いは頑なに拒むエンジェルスのオーナーとは天と地ほどの差がある。思えばこの夏、エンジェルスの“積極補強”が日本でも話題を集めたが、よくよく考えると同地区のライバルでエンジェルスよりも上位にいたレンジャーズの方がよほど大胆に、そして精力的に動いていた。

 選手だけでなく、フロントもオーナーも心の底から勝利を願い、そのための努力と行動を惜しまなかった。その結果が1961年の球団創設以来のワールドチャンピオンだった。そう考えれば、レンジャーズの「カネで勝った優勝」はむしろ健全と言えるのではないだろうか。

文●久保田市郎(SLUGGER編集長)

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