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元巨人のガルシアは今やMLB屈指のスラッガーに成長。守護神としてヤクルト日本一に貢献したマクガフは...【MLB“元助っ人”たちの2023通信簿】<SLUGGER>

出野哲也

2023.12.29

▼ニック・マルティネス(パドレス)
通信簿:まずまずです

 開幕当初と終盤戦は先発で起用されたが、シーズンの大半はリリーフで15ホールドを記録。106奪三振、防御率3.43はいずれも自己ベストだった。ボブ・メルビン監督からも「どんな役割でもこなせて文句一つ言わない」とユーティリティぶりを評価された。ただし本人は「リリーフで投げるときの気持ちの高まりも悪くはないけど、やっぱり先発がいい」。

▼コリン・レイ(ブルワーズ)
通信簿:まずまずです

 ソフトバンクで2年間投げた後にブルワーズとマイナー契約を結ぶと、3Aと往復しながら22先発をこなした。QSは4回だけで防御率も平凡だったが、当初の期待度を思えば及第点の出来と言っていい。サービスタイムはまだ4年程度だが、日本人選手と同様、契約にオフはFAとなることを認める条項があったが、1年450万ドルで再契約した。

▼ドリュー・バーヘイゲン(カーディナルス)
通信簿:まずまずです
 日本ハムからメジャーに復帰して2年目の今季は自己最多&チーム2位の60試合に登板。足を高く上げない投球フォームに変えてスイーパーを多投するようになり、得点圏では被打率.161に抑えるなど粘り強さを発揮した。ただ、同地区との対戦で18試合で防御率5.82と打ち込まれたのはマイナス。唯一の黒星がついたのも9月2日のパイレーツ戦だった。

▼マイルズ・マイコラス(カーディナルス)
通信簿:可もなく不可もなく
 3年5575万ドルの契約1年目は2年連続3度目の200投球回をクリアしたものの、被安打226本、自責点107はいずれもリーグワーストと精彩を欠いた。被安打10以上が4度、2ストライクまで追い込みながら打たれる場面も多々あって「頭に来ることが多かった。グラウンド上でもゴルフコースでも」と、冗談を交じえつつ不満足なシーズンを振り返った。
 
▼スコット・マクガフ(ダイヤモンドバックス)
通信簿:可もなく不可もなく
 ヤクルトの抑えの切り札だった右腕が8年ぶりにメジャー復帰。最初の15登板で3度の救援失敗&敗戦を喫するなど不安定だったが、それでも5月14日から17試合連続自責点ゼロと復調し、この間5セーブを挙げるなど一時はクローザーに定着しかけた。だが、7月以降は防御率7点台と乱調で、終盤戦は右肩を痛めてプレーオフのロースターから洩れた。

▼ロベルト・スアレス(パドレス)
通信簿:がんばりましょう

 阪神から移籍してメジャーデビューを果たした22年は好成績を残し、プレーオフでも印象的な活躍を見せた。だが、5年4600万ドルの長期契約を結んだ今季は開幕直前に右ヒジ痛で離脱。7月下旬の復帰後も奪三振率と被本塁打率が大きく悪化するなど、苦しい投球が続いた。8月23日のマーリンズ戦では粘着物質使用で退場、10日間の出場停止となった。

▼オスカー・コラス(ホワイトソックス)
通信簿:がんばりましょう
 キューバからソフトバンクへ派遣されていた2020年にアメリカへ亡命。今季開幕戦でメジャーデビューを果たし、初打席で安打を放った。正右翼手候補と期待されていたがすぐ力不足を露呈し、4月末に3A落ち。再昇格後も打撃は冴えなかったが、7月24日のツインズ戦ではライトから100.9マイル(今季MLB最速)の見事なレーザービームを披露した。

文●出野哲也

【著者プロフィール】
いでの・てつや。1970年生まれ。『スラッガー』で「ダークサイドMLB――“裏歴史の主人公たち”」を連載中。NBA専門誌『ダンクシュート』にも寄稿。著書に『メジャー・リーグ球団史』『プロ野球ドラフト総検証1965-』(いずれも言視舎)。

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