クロフォードもUCLAの出身だ。高校時代はドラフトにかからず、コールがヤンキースの指名を断ったのと同じ08年のドラフトで、ジャイアンツから４巡目・全体117位指名を受け、プロ入りした。

　クロフォードとコールは、同じ大学の先輩・後輩に加え、義理の兄弟でもある。コールはUCLAでクロフォードの妹たちの一人と出会い――チームメイトのトレバー・バウアー（現レッズ）とは仲良くなれなかったが――15年に婚約し、翌年に式を挙げた。コールの妻は、夫のヤンキース入団会見にも同席していた。
  　コールの契約は、クロフォードが15年オフに得た６年7500万ドルの延長契約をはるかに上回る。けれども、クロフォードはすでにワールドチャンピオンリングを２つ持っているのに対し、コールはまだゼロだ。義兄と同じように、コールは子供の頃に応援していたチームのユニフォームを着て、ワールドシリーズで優勝できるだろうか。コール自身については言うまでもないが、ヤンキースとそのファンもそう願っている。

文●宇根夏樹

【著者プロフィール】
うね・なつき／1968年生まれ。三重県出身。『スラッガー』元編集長。現在はフリーライターとして『スラッガー』やYahoo! 個人ニュースなどに寄稿。著書に『ＭＬＢ人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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