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MLB

グリエル弟ら才能豊かな二世選手が多く揃うカナダ唯一のMLB球団…山口俊が加入したブルージェイズってどんなチーム?

宇根夏樹

2020.01.09

 ちなみにトロントはカナダ最大の都市で、都市圏人口はおよそ590万人。これはニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴに次いで北米で4番目の規模で、山口も生活に不便さはあまり感じないのではないか。

●史上初の開閉式ドーム球場
 開閉式の屋根を持つ球場は、今では珍しくなくないが、その第1号は、現在は「ロジャース・センター」と呼ばれているブルージェイズの本拠地球場である。89年にオープンした頃の名前は「スカイドーム」。物珍しさに加えて、チームが強かったことも手伝って、91年から3年連続で年間観客動員が400万人を超えるなど、一時期は大変な人気を誇っていた。

 球場にはホテルが併設されていて、球場側の部屋――もちろん宿泊費は反対側より高い――からは試合を観戦できる。逆もまた然り。部屋でXXX中の男女が球場から目撃されたこともあった。また、隣接するCNタワーから球場を見下ろすこともできる。
 
●日本人選手の歴史
 球場併設のホテルに住んでいた選手はロベルト・アロマーくらいだが、ブルージェイズでプレーする日本人選手は、山口が6人目だ。ただ、マイケル中村、大家友和、五十嵐亮太、川﨑宗則、青木宣親のうち、2年以上いたのは13~15年に在籍して地元ファンの間でカルト的な人気を博した川﨑だけだ。なお、山口に先駆け、ブルージェイズには日本プロ野球の経験者が他にも入団している。元・北海道日本ハムのアンソニー・バスが、昨年10月にウェーバー経由でマリナーズから移籍した。

●日本の宿敵?
 さらに、日本にとっては忘れられない選手もブルージェイズに加わった。2年2400万ドルで契約した先発右腕タナー・ロアークだ。名前だけではピンと来ないかもしれないが、ロアークは3年前のWBCで日本の3連覇を阻んだ男だ。準決勝でアメリカ代表の先発投手として4イニングを投げ、日本代表を無失点に封じた。

 ちなみに、今シーズンからメジャーリーグでプレーする筒香嘉智と秋山翔吾は、この試合でロアークと対戦した。結果は、筒香がレフトライナーと四球、秋山はピッチャーライナーだった。筒香が加入したレイズはブルージェイズと同じア・リーグ東地区なので、対戦機会はありそう。秋山のレッズはナ・リーグ中地区だが、3月30日~4月1日にブルージェイズの本拠地で3試合を行う。

文●宇根夏樹

【著者プロフィール】
うね・なつき/1968年生まれ。三重県出身。『スラッガー』元編集長。現在はフリーライターとして『スラッガー』やYahoo! 個人ニュースなどに寄稿。著書に『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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