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選手たちがドジャーブルーに抱く強烈なプライドと自負。采配だけでは見えないロバーツ監督の最大の強みとは? ベテラン番記者が見た“最強軍団の真実”<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2025.05.30

――ドジャースはトミー・ラソーダをはじめ、多くの名将を輩出したチームでもあります。過去の名監督たちと比べて、現指揮官のデーブ・ロバーツはどのような監督ですか?

「現代とラソーダの時代では、監督の職掌がまったく異なります。現代はご存じのようにフロントが総年俸や戦略面で主導権を握り、選手の技術的なことに関してはコーチの責任が大きい。ラソーダの時代には、それらの分野にも監督の手が及んでいましたからね。つまり、ラソーダとロバーツでは求められる能力自体が大きく違うのです。

 では、ロバーツの持っている能力とは何かというと、まず一つは“前向き”であるということです。目先の1試合に勝ったからといって舞い上がることもなければ、連敗したからといって落ち込むこともない。ずっと前向きな態度で、いつも一定している。それが選手に安心感を与えるのです。

 そしてもう一つは、コミュニケーション能力です。『今日、君は先発から外れるぞ』というのは、どんな監督であっても言いにくいものです。でもロバーツ監督はしっかりと言葉を尽くして説明する。きちんと理由を話して、理解させるところまでのプロセスをものすごく重視しています。ですから、選手との誤解や齟齬が生じることはほとんどない。
 
 さらにロバーツ監督は、フロントとの人間関係の作り方も上手です。彼は“コラボレーション”(協力関係)という言い方をよくしますが、フロントの意向も柔軟に取り入れながら、適宜自分のリクエストを出しつつ、方針をしっかりとすり合わせて采配を振るっている。選手ともフロントともきちんと対話をして、双方から信頼を得ているのです。現代の監督は中間管理職としての色合いが強いですが、ロバーツは2020年代の監督としてはまさに理想的な人材だと私は思います」

――アンドリュー・フリードマン編成総責任者も、ロバーツ監督のことは高く評価しているようですね。

「そうですね。23年まではロバーツ監督のプレーオフでの采配に対して批判も多かったですが、フリードマンはいつもロバーツ監督のことをかばっていました。そして、昨年のプレーオフでロバーツ監督が投手交代などで巧みな手腕を見せ、見事世界一を勝ち取ったことで、フリードマンはロバーツ監督に史上最高年俸を与えた(編集部注:今年3月に来季からの3年3240万ドルの延長契約を締結)。このことがまさに信頼と高い評価の証だと思います」
 

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