――13年から12年連続プレーオフ出場を続けているドジャースですが、主力選手が徐々に高齢化しているという問題を抱えています。今後も強さを維持していくために、どのような対策を考えているのでしょうか?
「今年どうやって勝つかということと、今後どうやって勝ち続けていくかということは、どのチームでも大きなジレンマです。チームの高齢化は今勝つことを優先してのものですが、今後どうやって勝つかということにもドジャースは手を付けています。
たとえば、23歳の佐々木朗希を獲得したのはその一環です。それにキム・ヘソンもまだ26歳ですよね。それに24歳のダルトン・ラッシングも先日デビューしました。
そもそも、20年と24年の世界一チームを比べても、大きな顔ぶれの変化があります。両方のチームで主力になっていたのはムーキー・ベッツ、ウィル・スミス、ウォーカー・ビューラー(現レッドソックス)、くらいのもので、20年当時は大谷もフレディ・フリーマンも山本由伸もいなかった。このように新陳代謝を常に行うことによって、今までドジャースは強さを保ち続けてきたのです。先ほど言ったようにマイナーにもきちんと投資しているので、今後も強さを維持し続けることは可能なはずです」
――昨季から大きな問題となっている投手陣の故障者続出という問題についてはどうですか? 対策は進んでいるのでしょうか?
「確かにドジャースでは特に投手の故障が目立ちますが、これは球界全体の問題でもあります。私見ですが、“max effort”(最大出力)が大きな要因になっていると思います。
現代のMLBでは、投手は球速やスピンレートによって評価されます。数字がはっきりと出てしまうだけに、投手はすべての投球で全力を出そうとしてしまう。ですが、100球以上も最大出力で投げていれば、やはり人間の身体は持ちません。かといって、これは大谷も言っていましたが、投手に向かって『手を抜いて投げろ』『ゆっくり投げろ』と言っても無理なんですよ。
ドジャースはこの問題について、球界でも最も努力しているチームです。育成にも補強にもお金をかけているわけですから、故障は嫌に決まっています。ですが、そのドジャースをもってしても確固たる正解はいまだに導き出せていません。もちろん今後、故障防止への投資が実を結ぶ可能性もありますし、球界全体で対策が進むかもしれない。新しい技術が生まれるかもしれませんしね。ですが、現時点では明確な対策がなく、これは大きなジレンマですね」
取材・構成●SLUGGER編集部
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そもそも、20年と24年の世界一チームを比べても、大きな顔ぶれの変化があります。両方のチームで主力になっていたのはムーキー・ベッツ、ウィル・スミス、ウォーカー・ビューラー(現レッドソックス)、くらいのもので、20年当時は大谷もフレディ・フリーマンも山本由伸もいなかった。このように新陳代謝を常に行うことによって、今までドジャースは強さを保ち続けてきたのです。先ほど言ったようにマイナーにもきちんと投資しているので、今後も強さを維持し続けることは可能なはずです」
――昨季から大きな問題となっている投手陣の故障者続出という問題についてはどうですか? 対策は進んでいるのでしょうか?
「確かにドジャースでは特に投手の故障が目立ちますが、これは球界全体の問題でもあります。私見ですが、“max effort”(最大出力)が大きな要因になっていると思います。
現代のMLBでは、投手は球速やスピンレートによって評価されます。数字がはっきりと出てしまうだけに、投手はすべての投球で全力を出そうとしてしまう。ですが、100球以上も最大出力で投げていれば、やはり人間の身体は持ちません。かといって、これは大谷も言っていましたが、投手に向かって『手を抜いて投げろ』『ゆっくり投げろ』と言っても無理なんですよ。
ドジャースはこの問題について、球界でも最も努力しているチームです。育成にも補強にもお金をかけているわけですから、故障は嫌に決まっています。ですが、そのドジャースをもってしても確固たる正解はいまだに導き出せていません。もちろん今後、故障防止への投資が実を結ぶ可能性もありますし、球界全体で対策が進むかもしれない。新しい技術が生まれるかもしれませんしね。ですが、現時点では明確な対策がなく、これは大きなジレンマですね」
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