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MLB

「高い壁を越えようとすることに意味があると思う」最悪の登板から復活した今永昇太の“冷静と情熱のあいだ”<SLUGGER>

ナガオ勝司

2025.08.02

 それが次の対戦につながるかどうかは、問題ではない。ベースボールはチームスポーツでありながら、ピッチャー対バッターという1対1の個人の対決を続けていくスポーツだ。先発投手の場合、なるべく長く続けて、1対1の対決に勝ち続ければ=アウトを取り続ければ、良い結果が残る。続けてアウトが取れなければ、その反対の結果が残るだけのこと。60.6フィート(約18.44メートル)で対峙する相手に勝つため、自分の技術を磨いたり、相手を研究するのは当たり前。過去に囚われてる暇はない、ということだ。

 ただし、彼自身が言ったように、四六時中、反省しているわけではないし、すべてを忘れ、気持ちを入れ直す作業気分転換は必要だ。スバリ、「気分転換はどうしているのか?」と尋ねると、今永は「うーん」と考えた後、「って言っても、ネットフリックスを見るぐらいっすからねぇ」と答えた。

「日本の昔のドラマとか、韓国のドラマとか、アニメとか見たりしますけど、今は『鬼滅の刃』の劇場版やってるので、一から見直してます」
 ひと昔のドラマ? まさか『月9』とか?

「いや、『月9』が何なのかよく分からないんで、あれですけど(笑)。野球の動画もいっぱい見ますし、他のピッチャーの動画を見てるので、それが気分転換になってるのかも知れないですね」。

 シーズンは残りは2ヵ月。公式戦では残り10試合前後となったマウンドの上で、今永昇太は無限城に乗り込んだ竈門炭治郎のごとく、心を燃やし続けるだろう――。

文●ナガオ勝司

【著者プロフィール】
シカゴ郊外在住のフリーランスライター。'97年に渡米し、アイオワ州のマイナーリーグ球団で取材活動を始め、ロードアイランド州に転居した'01年からはメジャーリーグが主な取材現場になるも、リトルリーグや女子サッカー、F1GPやフェンシングなど多岐に渡る。'08年より全米野球記者協会会員となり、現在は米野球殿堂の投票資格を有する。日米で職歴多数。私見ツイッター@KATNGO

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