たとえばチーム出塁率.332はナ・リーグ最高で、それは「アウトになり難い」ことの証明にもなる。実際、チーム三振数993はリーグで6番目に少ない。前述したようにチーム打率.258はリーグ最高で、チームBABIPも.304とかなり高く、それらは「ヒットになる確率が高い」と置き換えられる。
興味深いのはその内訳で、リーグ7位のチーム本塁打(135)、同13位の14三塁打、同12位の199二塁打を考えれば、「シングルヒットが多い」と考えられる。そのおかげだろう、現代MLBでは軽視されている打率ランキングには、首位打者争いを展開するフレリックを筆頭にテュラングやチューリオ、イェリッチやコントレラスらが、上位50位までに名を連ねている。
どんなチームも、打線がつながればつながるほど得点の確率は上がるもの。ドカンと長打で得点するのではなく、選手一人一人が粘り強く打席で格闘して、後ろの打者に望みを託していくのが、ブルワーズ打線らしい。
もちろん、「良い野球」をしていても負けるのが野球というものだ。ブルワーズはカブスとのシリーズで3勝2敗、シーズンでも7勝6敗と勝ち越したものの、依然として7ゲーム差を保ったまま、残り30試合前後となったシーズンを戦う。球団史上最多の14連勝を記録したシーズンが「プレーオフに弱い」と評されるチームの歴史を塗り替えることを期待したい。
最後になるが、ブルワーズほど、昔から日本人と深いつながりがありながら報道が少ないチームはないのではないか。
ジェイコブ・ミジオロウスキー投手のような新人投手が、日本メディアによって話題になったのは大谷と対戦したからで、何の接点もなければ、彼は今も日本では無名のままだろう。もちろん、イェリッチ外野手のように、日系三世でなおかつイチロー氏のマーリンズ時代の元チームメイトということで、昔から日本人メディアの取材対象となってきた選手もいる。
しかし、大谷やドジャースにしか興味がない人々にとっては、メジャー屈指のリードオフヒッターでもあるフレリックや主砲のコントレラス、新人王候補のコリンズでさえ「誰、それ?」状態なのではないか。
私だって、もしもこの仕事をしておらず、日本に住んでいたならば、同じように感じたと思う。何と言っても、日本からの直行便のないウィスコンシン州に本拠地を置く、ローカルチームだ。興味を持てなくて、当然。「パンチョ伊東さんは生前、ブルワーズの元オーナーで、後のMLBコミッショナー、バド・セリグ氏と親しくされていたんだよ」とか、「日本プロ野球における『抑え役』のパイオニアの一人、江夏豊さんは引退前、マイナー契約でブルワーズにいたんだぜ」などと説明調で嘯いてみたところで、ジジイの独り言に近い。
野茂英雄氏(1999年)に始まり、マック鈴木氏(2001年)、野村貴仁氏(2002年)、大家友和氏(2005年と2006年)、斎藤隆氏(2011年)、青木宣親氏(2012年と2013年)と、ブルワーズに在籍していた歴代日本人選手を取材する機会に恵まれたのは、たまたま、自宅とミルウォーキーまでは車で移動できる距離(と言っても、最も遠い町に住んでいた頃は5時間かかったけれど)だったから。
この仕事をしてなかったら、彼らブルワーズ歴代戦士たちの活躍も、「頑張ったはりますなぁ」と他人事で終わっていたんだろうな、と思う今日この頃である。
文●ナガオ勝司
【著者プロフィール】
シカゴ郊外在住のフリーランスライター。'97年に渡米し、アイオワ州のマイナーリーグ球団で取材活動を始め、ロードアイランド州に転居した'01年からはメジャーリーグが主な取材現場になるも、リトルリーグや女子サッカー、F1GPやフェンシングなど多岐に渡る。'08年より全米野球記者協会会員となり、現在は米野球殿堂の投票資格を有する。日米で職歴多数。私見ツイッター@KATNGO
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興味深いのはその内訳で、リーグ7位のチーム本塁打(135)、同13位の14三塁打、同12位の199二塁打を考えれば、「シングルヒットが多い」と考えられる。そのおかげだろう、現代MLBでは軽視されている打率ランキングには、首位打者争いを展開するフレリックを筆頭にテュラングやチューリオ、イェリッチやコントレラスらが、上位50位までに名を連ねている。
どんなチームも、打線がつながればつながるほど得点の確率は上がるもの。ドカンと長打で得点するのではなく、選手一人一人が粘り強く打席で格闘して、後ろの打者に望みを託していくのが、ブルワーズ打線らしい。
もちろん、「良い野球」をしていても負けるのが野球というものだ。ブルワーズはカブスとのシリーズで3勝2敗、シーズンでも7勝6敗と勝ち越したものの、依然として7ゲーム差を保ったまま、残り30試合前後となったシーズンを戦う。球団史上最多の14連勝を記録したシーズンが「プレーオフに弱い」と評されるチームの歴史を塗り替えることを期待したい。
最後になるが、ブルワーズほど、昔から日本人と深いつながりがありながら報道が少ないチームはないのではないか。
ジェイコブ・ミジオロウスキー投手のような新人投手が、日本メディアによって話題になったのは大谷と対戦したからで、何の接点もなければ、彼は今も日本では無名のままだろう。もちろん、イェリッチ外野手のように、日系三世でなおかつイチロー氏のマーリンズ時代の元チームメイトということで、昔から日本人メディアの取材対象となってきた選手もいる。
しかし、大谷やドジャースにしか興味がない人々にとっては、メジャー屈指のリードオフヒッターでもあるフレリックや主砲のコントレラス、新人王候補のコリンズでさえ「誰、それ?」状態なのではないか。
私だって、もしもこの仕事をしておらず、日本に住んでいたならば、同じように感じたと思う。何と言っても、日本からの直行便のないウィスコンシン州に本拠地を置く、ローカルチームだ。興味を持てなくて、当然。「パンチョ伊東さんは生前、ブルワーズの元オーナーで、後のMLBコミッショナー、バド・セリグ氏と親しくされていたんだよ」とか、「日本プロ野球における『抑え役』のパイオニアの一人、江夏豊さんは引退前、マイナー契約でブルワーズにいたんだぜ」などと説明調で嘯いてみたところで、ジジイの独り言に近い。
野茂英雄氏(1999年)に始まり、マック鈴木氏(2001年)、野村貴仁氏(2002年)、大家友和氏(2005年と2006年)、斎藤隆氏(2011年)、青木宣親氏(2012年と2013年)と、ブルワーズに在籍していた歴代日本人選手を取材する機会に恵まれたのは、たまたま、自宅とミルウォーキーまでは車で移動できる距離(と言っても、最も遠い町に住んでいた頃は5時間かかったけれど)だったから。
この仕事をしてなかったら、彼らブルワーズ歴代戦士たちの活躍も、「頑張ったはりますなぁ」と他人事で終わっていたんだろうな、と思う今日この頃である。
文●ナガオ勝司
【著者プロフィール】
シカゴ郊外在住のフリーランスライター。'97年に渡米し、
【記事】「95~96マイルならメジャーの打者にとっては打撃練習」――ピッチングニンジャが語る佐々木朗希“復活の条件”<SLUGGER>
【記事】「1ミリでも前進すること」――今永昇太と鈴木誠也が一つ一つ積み重ねる「伝統球団カブスの主力であることの証」<SLUGGER>
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