専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
プロ野球

打順は「キレイな並び」より「いかに出塁できるか」。2番・栗山起用で見えた西武打線の新たな可能性

氏原英明

2020.09.02

 かつて、栗山がこんな話をしてくれたことがある。

「2番打者にフリーで打たせてもらえる権限を与えてくれたら、すごい面白い野球ができると思う。経験したから感じるんですけど、2番打者はゲームを動かすことができる打順やと思うし、2番打者次第でチームの攻撃は大きく変わる。08年当時は、片岡(易之)さんがいて、いつも盗塁のプレッシャーを与えてくれていたし、後ろには中島(裕之)さんやおかわりがいて、僕にはストライク勝負をしてきていたんで、絞りやすさもありました。過去に2番打者として活躍された方々がたくさんおられますから、プロ野球史上最高の2番打者は大きすぎるけど、『ライオンズ史上一番の2番バッター』と言われるようにはなりたいですね」

 
 栗山の先制打から2点を先行し、山川のダメ押し本塁打が出た試合運びに、スカッとした西武らしさを思い起こしたファンは多いことだろう。

 打順は「キレイな並び」より「いかに出塁できるか」を優先する。

 辻監督がようやく決断し、チーム本来の持ち味が出たゲームだった。

取材・文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)

【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園という病』(新潮社)、『メジャーをかなえた雄星ノート』(文藝春秋社)では監修を務めた。

【PHOTO】ファンの心を鷲掴み!イケメンプロ野球選手を厳選!
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号