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プロ野球

【プロ野球秘話】南海身売りの1988年、「球界の紳士」と呼ばれた杉浦忠が激怒した夜

北野正樹

2021.01.26

 デービスに代わって近鉄が獲得したのが、当時、中日で出番がなく2軍にいたブライアント。移籍後の74試合で34本塁打を放ち、近鉄をV争いにまで引き上げた。「10.19」は、デービスの大麻逮捕という不祥事、中日から近鉄へのブライアントの移籍という一連の動きがなければこの世に生まれなかったかもしれない。
 
 南海、阪急の球団譲渡の関係者の交渉などの舞台裏は、元読売巨人代表で野球史家の山室寛之氏が2019年7月に上梓した「1988年のパ・リーグ」に詳しいので割愛するが、昭和最後の年に立て続けに起きた老舗球団の身売りは、日本ハムの北海道移転やロッテの千葉への移転のほか、オリックスと近鉄球団の統合による仙台を本拠地とする楽天の誕生など、今日のパ・リーグ、プロ野球界の隆盛につながる胎動だったといえる。

 ホークスもダイエーからソフトバンクへと名前を変え、常勝チームとして日本の球界をリードしている。

文●北野正樹

【著者プロフィール】
きたの・まさき/1955年生まれ。2020年11月まで一般紙でプロ野球や高校野球、バレーボールなどを担当。南海が球団譲渡を決断する「譲渡3条件」や柳田将洋のサントリー復帰などを先行報道した。

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