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MLB

「失敗」に終わった2019年ヤンキース。今オフはゲリット・コールを獲得して再び世界一を狙う?

2019.11.10

今オフFA注目のコール獲得を望む声は多いが…。(C)Getty Images

今オフFA注目のコール獲得を望む声は多いが…。(C)Getty Images

 その部分をブルペンの力で補おうというヤンキースの方向性も理解でき、実際に今プレーオフでのチーム防御率2.87はワールドシリーズに進出したアストロズ、ナショナルズよりも優秀な数字だった。それでも、レギュラーシーズンの段階からリリーフ陣に大きな負担がかかり、それが後に響いた感は否めない。ALCSも終盤、ザック・ブリットンやトミー・ケインリーをはじめとしたリリーバーたちは、ガス欠気味だったことを口にした。

 バーランダー、コールのような絶対的な大黒柱の存在は、さまざまな意味でチームにポジティブな影響を及ぼすもの。今シリーズでのバーランダーは第5戦で黒星を喫したが、それでも7回まで投げきったことで、第6戦の継投が容易になった。こうして2大エースのパワーを見せつけられた後で、ヤンキースはどう動くのだろうか。

 最多勝&最多奪三振のタイトルを獲得して、評価と商品価値を大きく上げたコールは今オフ、FAマーケットに出る。29歳と年齢的にも今が旬の右腕を手に入れようと思えば、デビッド・プライスがレッドソックスから受け取った投手史上最高額(7年2億1700万ドル)を上回る大型契約が必要との報道もある。近年はコスト削減も視野に入れているヤンキースが、それだけの投資を行うかは微妙だろう。
 
 生え抜きを中心とした若手の育成を重視するヤンキースの方向性は納得できるし、ベテランとの長期契約がリスキーなことは改めて述べるまでもない。ただ、その一方で、人選さえ誤らなければ、先発投手への投資が奏功することは近年のMLBの歴史が証明していることでもある。

 ヤンキースが最後に世界一になったのは、08年オフのFA市場でCC・サバシアを7年1億6100万ドルで迎えたシーズンだった。そして、近年のプレーオフで一番の活躍を見せてきたのが、2013年オフに7年1億5500万ドルで獲得した田中だったことも忘れるべきではない。また、メジャー全体で見ても、過去に総額1億7500万ドル以上の契約を受け取った7投手(プライス、バーランダー、クレイトン・カーショウ/ドジャース、グレインキー、マックス・シャーザー/ナショナルズ、スティーブン・ストラスバーグ/ナショナルズ、フェリックス・フェルナンデス/マリナーズ)のうち、ヘルナンデス以外の6人はこの2年の間にワールドシリーズに進出している。だとすればーーー。

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