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プロ野球

25年ぶり優勝に名参謀・水本勝己ヘッドの存在。「勝つ喜び」を忘れたオリックスを変えた術とは

北野正樹

2021.10.31

「オリックスの野球とはどういうものか、今年はどの選手も答えられるようになったのではないか」と水本ヘッド。粘り強く、あきらめない、「全員で勝つ!!」野球。新しいスタイルが定着したオリックスが、143試合を全力で戦い抜き、最後に優勝したのは必然だったのかもしれない。

 優勝した夜、中嶋監督は「すべてではないが、こうやろうと思った時に『オレもやろうと思っていた』など、考えていることが似通っている。オレが全部を見ることが出来るわけでもなく、そこは水本がしっかりと見て、ケアをしてくれていた。コーチ陣もまとめてくれた」と、腹心の働きに感謝した。

「監督が男になれたのが一番うれしい。そのために来たんだから。みんなよく頑張ってくれた。勝った時の笑顔って、ほんとにいいね。やることがいっぱいある中で、こういう経験をすることが出来たことが非常に大きい。自分の中でも想定外のところがある」
 
 グラウンドでの祝勝会を終え、目を潤ませて一気に語った水本ヘッド。「これから、もっともっと強いチームにするために、どうすればいいのかを考える。監督も一緒やと思う。勝って、勝つことの喜びを覚える。これから、もっともっといいチームを作っていきたい。これで終わりじゃない」と続けた。

 ロッテ、オリックスで編成部長を務め、その後、西武でも編成に携わり、今季、12年ぶりにオリックスに復帰した編成のプロ、宮田GM補佐の目に狂いはなかった。

文・写真●北野正樹(フリーライター)
【プロフィール】きたの・まさき/1955年生まれ。2020年11月まで一般紙でプロ野球や高校野球、バレーボールなどを担当。南海が球団譲渡を決断する「譲渡3条件」や、オリックスの「神戸移転」などを先行報道した。関西運動記者クラブ会友。
 

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