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MLB

大谷翔平が人気ゲーム『MLB The Show』のカバーを飾る!開発スタッフが明かす起用理由と二刀流スターに託した夢〈SLUGGER〉

スラッガー編集部

2022.04.06

オープン戦で大谷は3本の本塁打を放った。公式戦ではいったい何本のアーチを見せてくれるだろうか。(C)Getty Images

オープン戦で大谷は3本の本塁打を放った。公式戦ではいったい何本のアーチを見せてくれるだろうか。(C)Getty Images

 数ヵ月前、インタビューや宣材写真の撮影などで4日ほど大谷選手と過ごし、その時に、MVPエディションのカバーも見せることができました。実際に会ってみて、本当に堂々とした人だなと思いました。それに、スーパーナイスガイでした。一緒にいて本当に楽しい人ですね。とても謙虚で、最後まで気持ちよく仕事ができました。

 ゲームでは、大谷選手自身が自分のモーションキャプチャーを担当しています。スーツを着てもらって、投球モーションやバッティングスタンスなど一連の動きを本人にやってもらって、それを記録しました。ですから、ゲームの中のほんの些細な動きも、すべて大谷選手自身のものなのです。

 ゲームにおける選手のデータは、MLBから提供された最先端の分析や、スタッツを活用しながら決めています。実際の試合で採取したスタットキャストのデータの巨大なスプレッドシートがあり、そこに各選手のスピードなどのデータが入っています。それを3年間の加重平均にして能力を決定しています。

 選手の投球フォームや打撃スタンスの変化も可能な限り反映しています。専門の担当がいて、彼は投球フォームや打撃スタンスが変わった選手の膨大なリストを持っています。そして、それぞれの選手の映像をチェックして、巨大なプロジェクターに映し出します。その映像を見ながら、モーションキャプチャー用のアクターに同じように動いてもらうわけです。そして、「もう少しヒジを下げて」というように指示を出して、何度も何度も動きを繰り返しながら本物に近づけていくというわけです。

 大谷選手の能力にしても、今回ようやく現実と同じ形を再現することができました。彼はここ100年間で唯一の真の二刀流選手です。これまでは、打者か投手どちらかに専念するのが普通でした。そこで私たちは開発段階で新たにコードを書き換えて、別々だった投手と野手を統合しました。
 
 シーズンモードでは、大谷選手を現実と同じように使うことができます。つまり、投手として投げない日はDHで起用するというようにね。ですから、ゲーム内の成績も、過去のバージョンと比べると実際と似たものになるはずです。

 メディアではよく、彼に関して「まるでビデオゲームみたいだ」という表現が出てきますけど、現実が裏返しになったみたいですよね。実在する人間がビデオゲームのような活躍をして、その活躍をゲームで表現するわけですから。少し妙な感じがします(笑)。
 
 でも、そのことも、大谷選手がいかに特別で驚くべきプレーヤーであるかを示していると思います。

構成●SLUGGER編集部

※『SLUGGER』2022年5月号より転載

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