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MLB

「ジャッジは甘い球が多いから打てる」は誤り。他の誰よりも“誤審”と戦いながら三冠王も狙う凄み<SLUGGER>

新井裕貴(SLUGGER編集部)

2022.09.23

甘い球を仕留めることができるのは、その前に際どい球をしっかり見極めているからでもある(C)Getty Images

甘い球を仕留めることができるのは、その前に際どい球をしっかり見極めているからでもある(C)Getty Images

 さらに言えば、ジャッジは“ジャッジ”=審判の誤審に苦しめられている選手の代表格でもあることも忘れてはならない。実は、ジャッジはストライクゾーンから外れた球をストライクと判定されたのが89球あり、こちらもメジャー最多。全投球における割合3.4%も2位と、球界で最も“誤審”の被害に遭っている選手の一人なのだ。

 確かに、ジャッジのホームランのハイライト映像を見ると、甘い球が多い印象はある。しかし、先にも述べたように、投球の4割以上はストライクゾーンのギリギリを攻められている。厳しいコースの球を優れた選球眼でしっかり見極め、失投をすかさず仕留める集中力と技術力。真に称賛すべきは、ジャッジのそうした卓越性だろう。
 
 今回、改めて明らかになった事実があるとすれば、ジャッジは決して甘いボールばかりを投げられているわけではなく、投手だけでなく審判とも戦いながら歴史的な好成績を残しているということだ。ロジャー・マリスが持つ本塁打のア・リーグ年間記録(薬物使用疑惑者を除けば実質的なMLB記録とも言える)に加え、三冠王にも迫ろうとしているのは、改めて驚異と言う他ない。

構成●新井裕貴(SLUGGER編集部)

【動画】ジャッジが“甘い球”を仕留めて60号の大台に到達!

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