そして、ベストオーダーはこうなる。
１　大谷（DH）
２　山田（二）
３　村上（三）
４　牧（一）
５　柳田（右）
６　吉田（左）
７　坂本（遊）
８　森（捕）
９　塩見（中）

　捕手は、基本は森を起用し、左投手の場合は中村を起用。甲斐はバックアップだ。浅村は右の代打、左は近藤。源田は坂本の調子次第ではスタメン起用もあるだろう。周東は内外野の守備固めと代走として期待したい。

　選出で難航したのが一塁手と遊撃手だが、理由は対照的だ。一塁手は人材が豊富でセレクトが難しく、遊撃手は逆に選択肢が少ない。
　
　一塁手の候補としては、強化試合で一塁を守った岡本和真（巨人）、パ・リーグの本塁打王・山川穂高（西武）が挙げられる。ただ、大谷が入るとＤＨが埋まってしまい、山田を起用する場合はセカンド限定となる。そう考えると一塁しか守れない選手は厳しく、山川は選外。岡本も起用法が限られるため外し、山田と一、二塁を守れる牧、そして、国際大会に慣れている浅村を残した。
  　遊撃は坂本がいつも通りの力を発揮すれば問題ないが、今季はさまざまな事情もあって力を発揮できなかった。コンディションに問題がなければ坂本一択だが、思うように力を発揮できない場合の代役の選出が難しかった。今季キャリアハイの打率をマークした今宮健太（ソフトバンク）の存在も気になるが、東京五輪代表で三塁や代走要員としても出場した源田を選んだ。

　外野は鈴木誠也（カブス）の招集が難しいと判断したが、吉田正尚もメジャー挑戦なら厳しいかもしれない。ただ、レフトの人材は豊富で、近藤に加え、西川龍馬（広島）もいる。センターは塩見に任せ、右翼は柳田。バックアップは周東がいる。

文●氏原英明（ベースボールジャーナリスト）

【著者プロフィール】
うじはら・ひであき／1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園は通過点です』（新潮社）、『baseballアスリートたちの限界突破』（青志社）がある。ライターの傍ら、音声アプリ「Voicy」のパーソナリティーを務め、YouTubeチャンネルも開設している。
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