▼オリックス:45点
投手補強に偏り、数年後の野手陣に不安
今回のドラフトで最も厳しく評価したいのがオリックスだ。
問題は、目先の投手事情を優先するあまり、将来のチームづくりという視点が弱くなっていることだ。
トミー・ジョン手術を受けた宮城大弥や山下舜平大らの離脱を考えれば、投手を補強したい事情は理解できる。しかし、故障者が出るたびに同じポジションを補強するという場当たり的な対応では、長期的なチームづくりが難しくなる。
故障した選手が復帰することを想定し、そのうえで将来の戦力構成を考える必要がある。投手が足りないから投手を指名する。また故障者が出たから投手を獲る……というドラフトでは、チーム全体のバランスは保てない。野手にも課題があり、それに対応していく必要ももちろんあるからだ。
横山聖哉、麦谷祐介、来田涼斗ら若手野手がいる一方で、その次世代を担う選手が十分に育っているとは言い難い。近くFAを迎える選手も多く、それは移籍する・しないに限らず、「年齢の壁」が迫っていることも意味している。
近い将来に世代交代が必要になり、そのときに備えた野手の確保は、今から進めておくべき課題だ。
それにもかかわらず、今回の野手指名は限定的だった。
目先の投手不足を埋めることも必要だが、数年後にどのような打線を構築するのかという視点も欠かせない。故障者への対応と将来への投資を両立させなければ、チームの戦力構成は偏ってしまう。
今回のオリックスは、その視点が十分に感じられなかった。今後のチームづくりを考えるうえで、大きな課題を残したドラフトだった。
文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)
【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園は通過点です』(新潮社)、『baseballアスリートたちの限界突破』(青志社)がある。ライターの傍ら、音声アプリ「Voicy」のパーソナリティーを務め、YouTubeチャンネルも開設している。
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