専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
プロ野球

「僕は他の誰でもない自分自身でいたい」――“ダイヤの原石”C・スチュワートの現在地【インタビュー Vol.1】

2019.09.17

――アメリカのアマチュア球界の有力投手が日本の球団と契約するのは過去に前例がありません。不安はありませんでしたか?

 確かに最初は不安もあったけど、両親や家族、友達、エージェントみんなが助けてくれた。それに、日本に来てからもサポートが充実している。いざ練習が始まったら、あとは流れに合わせるだけだしね。もっといい選手になるために毎日、やるべきことをやるだけだから。さっきも言ったようにサポートもしっかりしているから、不安はすぐに消えていったよ。

――話を聴いていると、とてもオープンマインドな性格という印象を受けるのですが、自分ではどう思いますか?

 自分でもそう思うよ。これは僕の考えなんだけど、僕は誰でもない自分自身でありたい。みんながしているようなことはしたくないし、人に言われたままの人間になりたくない。今年、アメリカの球団と契約することもできたけど、このまたとないチャンスを生かしたいと思った。僕が日本で成功すれば、誰か続く人が出てくるかもしれないしね。日本行きを決めた理由はいろんな要因があったけど、「他の誰でもない自分自身でいること」も、その一つだ。自分自身がベストだと思うことをしたかったんだ。
 
「他の誰でもない自分自身でいたい」――この言葉を聞いて、スチュワートがあえて日本行きを選んだ理由が分かった気がした(投手では珍しい背番号2を選んだ理由も)。かつての野茂英雄と同じパイオニア精神がスチュワートにも宿っている……とはさすがに褒めすぎかもしれない。しかし、ティーンエイジャーが言葉も分からない異国の地でプロ生活をスタートさせるというのは、決して容易なことではないはずだ。といって、悲壮感や気負いも感じられない。自然体、しかし内には情熱を秘める。それが彼の流儀なのかもしれない(Vol. 2へ続く)。

カーター・スチュワート・ジュニア。1999年11月2日フロリダ州メルボルン出身。2018年MLB新人ドラフトでブレーブスから全体8位で指名されたが、手首の怪我が見つかり入団交渉が決裂。イースタン・フロリダ・ステート・カレッジへ進学後、今年5月に6年契約でソフトバンクに入団。198cm、101kgの恵まれた体格から最速98マイル(約157.7キロ)の速球と毎分3300回転近いカーブに加え、チェンジアップ、スライダーも投げる。
 

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号