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プロ野球

「依頼があれば断る理由はない」落合博満氏が語った社会人野球への想い

山本祐香

2019.12.15

「(今年も)3試合か4試合観ましたよ。これが唯一の楽しみなんで、こっそり来ますから(笑)。プロの試合は観ようと思いません。今までは仕事でしょ、野球っていうのは。それを離れて、初めて息子と都市対抗観に来て、観客席でビール。これをしたかった(笑)。だから辞めてから3年か4年くらい続けていますよ。どこにいるか探さないでくださいね(笑)」と、とても楽しそうに話す落合氏だったが、そろそろグラウンドでその姿が観られることを期待したいものだ。
 
 代表質問が終わり、私はここまでのやり取りでまだ出ていなかった「社会人野球選手」に関する質問をすることにした。「ビールを飲みながらスタンドから客観的に観てみた今の社会人野球の選手たちは、落合さんの目にはどのように映っていますか?」と。
 
「もうちょっと、その試合を勝つことに関して執念を燃やしてもいいんじゃないかな。負ける時って、あっさり淡泊なんだよね。でも、トーナメントは1回負けたら終わりなので、最後の『ゲームセット』って言うまでは諦めないでほしい。一生懸命やっているのは分かるんだけども、長年この世界でずーっとやってきた、野球ばっかり観てきた人間からしてみたら、このゲーム終わりだよな、となると選手の動きがね、急に鈍くなっちゃうの。ギラギラしたものがなくなる。でもね、1回負けたら終わり、という大会は最後まで諦めないで。それが観ている人の感動を呼ぶんだよね。諦めたゲームは感動しません。望むのはその一点だけです」
 
 毎年、都市対抗を楽しむファンからは、選手の全力プレーを称える声が聞こえてくる。しかし、さまざまな形で野球に携わり、さらには今も社会人野球へ強い愛情を持っている落合氏のメッセージだからこそ、今しっかりと伝えたい。
 
 勝ちへの執念を燃やし、最後まで諦めないこと。望むのはその一点。

 社会人野球は「原点」。
 
 迷いなくそう言った落合氏のように、そこを「原点」とする選手が増えていくよう、社会人野球が伝統を継承しつつも時代に合わせて進化していくことに期待したい。その先には、落合氏の思い描いた社会人野球の未来があるはずだ。

取材・文●山本祐香

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