専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
大学野球

仙台六大学の“ドラフト候補生“はこの3人!プロ注目の「杜の都の三銃士」を紹介

大友良行

2020.04.15

 大塚監督は、山野についてこう語る。

「身長は170㎝ちょっとだが、腕が長い。そのリーチをいかしたマウンドさばきもいいし、コントロールのいいピッチングができる。1、2年の頃は、5回頃で代えても素直に応じたが、3年になったら『7回まで投げさせてください』と懇願してくる。実際は完投したいみたいですが。欲が出てきたのでしょう。入ってきた時から教えることはなかった。ほとんど出来上がっていました。うちは投手が47人いますが、よく練習するので投手陣のお手本になっています。伸びしろはまだまだあります。性格上、目の当たりにライバルがいれば競い合うでしょうから、今後もっと伸びますよ。セットアッパーには向いていない気がします。プロに行ったら、先発で5、6回投げるタイプだと思います」と元プロ選手の観点から語る。

 さらに「大学ナンバー1左腕と言ってもいいでしょう。持っている雰囲気は杉内俊哉(元福岡ソフトバンク)に似ています。真面目だけど、おちゃらけた部分もあって、みんなと仲良くやっているようです」と付け加えた。
 
 最終学年の目標を山野は語る。

「2年時に、大学日本一を獲りましたが、自分たちの時代でもう一度投げて、日本一を獲りたい。リーグ戦では、通算30勝が目標です。また、去年1年間で連続無失点記録を70回記録しましたが、もう一回それ以上の記録に挑戦したいです。それらを実行することによって、今まで世話になった人々に恩返しできるような形でプロに行きたいです」と決意のほどを固める。

 目標とする選手は、同大の先輩にあたる津森宥紀投手(福岡ソフトバンクホークス)だ。

「1学年上の方なので間近で見てきました。度胸とマウンドでの姿に信頼度があって、野球を続けていく上で、影響力を与えてもらいました。自分もああいうふうに思われる投手になりたいです。今永昇太投手(DeNAベイスターズ)の投球もYouTubeで研究しています」

 仙台大の宇田川とはじゃれ合う仲だ。「携帯で、野球の話ばかりです。パワーピッチャーで相手を力でねじ伏せるのが羨ましい」と言う。

   ◆    ◆    ◆

 元山、宇田川、山野ともライバル関係だが普段、仲は良く3人揃ってのプロ入りを望んでいる。

 杜の都・仙台に”野球のある風景”が戻ってくるのは、いつだろうか――。3人は、プロの世界へ飛び立つ準備を、すでに完了。「リーグ戦開幕」を今か今かと待ち侘びている。

文●大友良行

【著者プロフィール】
おおとも・よしゆき/元大手新聞社の報道写真記者。事件事故取材の傍らメジャーリーグやサッカーW杯などの欧州サッカーを取材。現在は、全国の大学野球、春夏の甲子園をはじめとする高校野球、都市対抗を中心に社会人野球などを深く取材している。目標は、毎年ドラフト指名選手の85%以上を撮影収集すること。著書に「野球監督の仕事(共著・成美堂出版)」、「CMタイムの逆襲(東急エージェンシー)」などがある。

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号