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NBA

35歳で亡くなった父のレガシーを引き継ぐライアン・ルパート。ウェンバンヤマとともにフランスの次代を担う19歳<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2023.06.11

コンボガードのルパートは、今年のドラフトで1巡目下位での指名が予想されている。(C)Getty Images

コンボガードのルパートは、今年のドラフトで1巡目下位での指名が予想されている。(C)Getty Images

 今年のNBAドラフトのインターナショナルプレーヤーは、フランス勢が熱い。

 1位指名候補のヴィクター・ウェンバンヤマ、そしてメトロポリタン92で共闘するビラル・クリバリに加え、1巡目指名候補に挙がっているのが、ニュージーランド・ブレイカーズに所属するコンボガード、ライアン・ルパートだ。

 5月31日に19歳になったばかりのルパートは、父のティエリー(2013年没)もかつてユーロリーグやフランス代表でプレーしたプロバスケットボール選手、そして姉のイリアナもWNBA経験のあるプロ選手というバスケ一家の出身だ。

 そんな彼は、昨年のドラフトでニューヨーク・ニックスから1巡目11位で指名されたウスマン・ジェン(オクラホマシティ・サンダー)と同じ足跡を辿っている。

 トニー・パーカーやボリス・ディーオウを輩出したフランスの国立エリート養成所INSEPで育ち、その後オーストラリアとニュージーランドのクラブで構成されるNBL(ナショナル・バスケットボールリーグ)が2018-19シーズンから始動した『ネクスト・スター』プロジェクトを利用して、同リーグでプロデビューするというキャリアパスだ。

 20年のドラフトでシャーロット・ホーネッツから3位で指名されてNBA入りしたラメロ・ボール(元イラワラ・ホークス)、同年にミルウォーキー・バックスから1巡目24位指名を受け、現在はデトロイト・ピストンズでプレーするRJ・ハンプトン(元ブレイカーズ)も同プログラムの出身者だ。
 
 自国フランスではなくNBLでプレーすることの利点は、試合がアメリカに中継されるため、自身のパフォーマンスをバスケ関係者に認知してもらうチャンスが増えることや、フランスではロスター入りが難しい新人であってもプレータイムを与えられ、早くからプロリーグで実戦経験を積めることが挙げられる。

 そもそもNBLが『ネクスト・スター』プロジェクトを発足した最大の狙いは、このリーグのマーケティングにある。NBAプロスペクトを集めてアメリカからの放映権をゲットし、同時にNBLリーグ自体もお披露目するのが目的であり、各球団あたり1人の『ネクスト・スター』枠の若手には、メディアへの露出が約束される。

 そうした選手がNBAドラフトで指名を受け、リーグの注目度も上がって経済効果が生まれれば、お互いにウィン・ウィンという仕組みだ。

 すでにシーズンを終えているNBLで、ルパートはプレーオフを含む28試合に出場。平均5.9点、2.1リバウンド、フィールドゴール成功率は35%と、INSEPのチームでプレーしていた昨季の平均13.9点に比べると半分以下の数字ではあるが、これがプロリーグの洗礼というものだろう。
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