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「心身ともに疲れていた」ポルジンギスが昨季プレーオフの苦悩を明かす「気を失いそうになったことさえあった」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2025.07.30

2024年にセルティックスの優勝に貢献したポルジンギスだが、昨プレーオフでは体調不良で不発に終わった。(C)Getty Images

 今夏にトレードでボストン・セルティックスからアトランタ・ホークスに移籍したクリスタプス・ポルジンギスが、7月下旬に母国ラトビアのメディア『Sporta Studija』のインタビューに応じた。

 218cm・109kgのビッグマンは、2年間在籍したセルティックスでは相次ぐケガに苦しみながらも、平均19.8点、7.0リバウンド、2.0アシスト、1.76ブロックにフィールドゴール成功率50.2%、3ポイント成功率39.2%(平均2.2本成功)と持ち味を発揮。

 ピック&ポップからの3ポイントや、トランジションでの得点力、リムプロテクターとして守備に安定感をもたらし、2大エースのジェイソン・テイタムとジェイレン・ブラウンの負担を軽減。彼らに次ぐ"第3の男"として、加入初年度の2024年には自身初のNBAチャンピオンに輝いた。

 ただ、連覇を目指した昨季は、度重なる故障の影響で苦戦。レギュラーシーズンでは平均19.5点、6.8リバウンド、1.50ブロックと上々のスタッツを残したものの、プレーオフでは体調不良によって平均7.7点、4.6リバウンド、0.82ブロックと大きく数字を落とし、チームもカンファレンス準決勝で敗れ去った。
 
 それでもシーズン終了から約2か月半が経過した今、ポルジンギスはベストコンディションを取り戻したと明かした。

「今は最高の気分だよ。シーズン終了後は休養に時間をかけた。プレーオフ期間中、僕は心身ともに疲れていたんだ。めまいの症状も抱えていて、気を失いそうになったことさえあった。とてもいいコンディションとは言えなかった。

 6月はすべて休養に充てた。それによって、これまで悩まされてきたことから解放されたんだ。今はプレーオフの時の症状は何も感じなくなったよ。すごくいい状態で、代表チームへ合流する準備をしている。本当に嬉しいね」

 8月27日に開幕する今年のユーロバスケットは、キプロス共和国、フィンランド、ポーランド、ラトビアの4か国共催で行なわれる。

 ポルジンギスがラトビア代表でプレーするのは2021年のワールドカップ・ヨーロッパ予選以来で、ユーロバスケットは2017年以来2大会ぶりの出場となる。

 ラトビアは2023年のワールドカップで初出場ながら、1次ラウンドでフランス、2次ラウンドでスペインと強豪国を撃破し、5位に入る快進撃を見せた。最新のFIBAランキングではリトアニア(10位)やスロベニア(11位)を上回り9位にランクしており、高さと長さ、巧さも併せ持つポルジンギスの復帰で、チームはさらなる躍進が期待される。

文●秋山裕之(フリーライター)

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