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もしストックトンが“パサー”ではなく“スコアラー”だったら?元選手が断言「通算得点記録を作っていただろう」<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2025.08.06

ストックトンの得点のキャリアハイは、1989-90シーズンの平均17.24点で、この年はアシストでも自己最多の14.5本を記録している。(C)Getty Images

 現役時代、ユタ・ジャズ一筋で19年間プレーしたジョン・ストックトンは、NBA史上でも屈指のポイントガードだ。通算アシスト記録を保持するように、パスが代名詞とされてきたが、元NBA選手のギルバート・アリナス(元ワシントン・ウィザーズほか)は、ストックトンが"もしスコアラーだったら"と持論を展開している。

 ストックトンは、アキーム・オラジュワン(元ヒューストン・ロケッツほか)、マイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)、チャールズ・バークレー(元フィラデルフィア・セブンティシクサーズほか)らのちのスーパースターが名を連ねた1984年のNBAドラフトでジャズから全体16位指名を受けて入団。

 最初の3シーズンはオールスターガードのリッキー・グリーンがいた影響でバックアップに甘んじたが、3年目の1986-87シーズンには控えでありながらリーグ8位の平均8.2アシストをマークした。

 翌87-88シーズンに先発に昇格したストックトンは、9年連続でアシスト王のタイトルを独占。89-90シーズンの平均14.5本、90-91シーズンの総数1164本はいずれも史上最多記録となっている。チャンピオンリングは手にできなかったが、97、98年にはカール・マローンとのコンビでジョーダン擁するブルズとファイナルで激しく火花を散らした。
 
 稀代の名司令塔は、40歳になった現役最終年の2002-03シーズンも、平均7.7アシストでリーグ5位にランク。総合的な攻撃力の指標であるPER(Player Efficiency Rating)は21.0で、ポイントガードとして全体5位の高水準だった。この年を含め、19年間でフル出場を果たしたシーズンは17回。体力も実力も衰えを見せぬまま、静かにユニフォームを脱いだ。

 ストックトンが保持するふたつの記録は、レギュラーシーズン通算1万5806アシストと3265スティール。現役のクリス・ポール(ロサンゼルス・クリッパーズ)が、通算1万2499アシストと2717スティールでいずれも歴代2位につけているものの、40歳という年齢を考えるとストックトンの1位はほぼ揺らがないだろう。

 元NBA選手のケニョン・マーティン(元デンバー・ナゲッツほか)は、アリナスがホストを務めるポッドキャスト番組『Gil's Arena』に出演した際、「ジョン・ストックトンについて調べてみるといい。毎シーズン、何試合に出場したか。だから、彼は通算1万5000アシストを達成できたんだ。誰もその記録には手が届かない。彼の耐久性と稼働率は信じられないほどだった」と、キャリア19年でわずか22試合しか欠場しなかったストックトンの鉄人ぶりを称えた。
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もしストックトンがスコアリングに専念していたら?